挑戦する「人」が大切 コーティングの活用提案も イ金型工業会など合同セミナー
金型産業の振興を支援するインドネシア金型工業会(IMDIA)と日本の社団法人「型技術協会」、機械部品コーティングの世界的大手エリコンバルザース(本社スイス)のインドネシア現法は共同で17日、西ジャワ州ブカシ県の複合開発地域デルタマスにある「サクラ・パークホテル&レジデンス」で金型セミナーを開いた。インドネシア人エンジニアらを中心に約250人が参加。人材育成の重要性やコーティング技術について耳を傾けた。
型技術協会の会長で、本田技研工業の設備金型企画推進室の田岡秀樹主任技師が「ホンダの真ん中には『人間』がいる」をテーマに人材育成の重要性について講演した。
スーパーカブや世界戦略車のハッチバック車「ジャズ(日本名フィット)」などを例に挙げ、「常にお客様の使い勝手を考えた商品を作っている」と説明。金型で作る自動車ボディーの一部「サイドパネルアウター」を、1工程で仕上げるための世界初の技術も紹介した。
田岡さんは「ものづくりには困難を乗り越えていく『人』が大切。教えられてきたことを守り従うだけでなく、『なぜ』を考えて新たに挑戦することがとても重要だ」と話した。
日本エリコンバルザースの福井茂雄ツール事業部長は、コーティング技術を金型に活用し生産性や効率などを改善する方法について講演した。
金型の素材や使用方法に合わせたさまざまなコーティングを提案。金型をより長く何度も使用できるように、維持・管理方法と合わせて紹介し、参加者からの質問にも丁寧にアドバイスした。
IMDIAの高橋誠会長は「コーティングの技術発展は目覚ましく、世界中でさまざまなものに使用されている。一方、その技術をどう使い、生かすかを考えていかなければならないため、人材育成がとても重要」と話した。(毛利春香、写真も)