3〜6日には19人死亡 単調な道、集中切れか 「最も事故多発」チパリ高速
ジャワ北岸道(パントゥラ)渋滞緩和の要として6月に開通した西ジャワ州カラワンとチルボンを結ぶチコポ(チカンペック)〜パリマナン間の高速道=チパリ高速道(117キロ)=で交通事故が相次いでいる。3〜6日には3件の事故で19人が死亡。「単調な道路が運転手の集中力を切らしている」との指摘もあり、当局は速度監視を強化するなど対策を急いでいる。
3日午前4時半ごろ、パリマナン方面に向かっていたミニバスが大型トラックに追突し、バスに乗っていた11人が死亡、5人が重傷、3人が軽傷を負った。チパリ高速開通以来最悪の犠牲者数となった。
6日には乗用車が前方の車両に追突。乗用車に乗っていた6人が死亡、5人が負傷した。さらに同日、トラックが別のトラックに追突し、追突側に乗っていた2人が死亡する事故も起きた。いずれも運転手の前方不注意が原因とみられる。
西ジャワ州警察によると、6月の開通から6日までに90件の事故が発生し、41人が死亡、けが人は120人以上に上っている。発生時間は午前0時〜同6時の間が最も多く、原因は6割が居眠り運転。チパリ高速はこれまでも事故多発区間とされていたが、先週事故が集中して起きたことで、地元メディアは「最も事故が多い高速道路」と報じている。
交通問題の専門家からなるインドネシア交通協会(MTI)のエレン・タンクドゥン氏は地元メディアに、チパリ高速は直線が続き、急なカーブや上りがほとんど無い単調な道のため、「運転手の集中力が切れやすい」と指摘する。開通後半年のチパリ高速は道路が破損しているわけではなく「道路自体の状態は良好」(運営会社)だ。
エレン氏は「チパリ高速に入る前に休憩し、高速上のサービスエリアも活用し疲れを取り、集中力を保って運転する必要がある」と注意喚起している。
当局は標識や照明を増やすほか、パトロールによる速度監視の強化など事故防止対策を図る。(堀之内健史)