丹下が複合施設設計 スラバヤ商業地区 5兆ルピアで8ビル建設
世界で数々の有名建築を手掛けてきた丹下都市建築設計(東京都港区、丹下憲孝代表)が、初めてインドネシア第2の都市の東ジャワ州スラバヤでデザイン・設計を手掛ける5兆ルピアの大規模複合施設事業が始まった。新興ビジネス地域の一角に7年で八つのビルを建設、さまざまな娯楽施設を併設する。開発会社は「スラバヤを国際都市にする」と意気込む。
丹下都市建築設計が設計したのは、スラバヤ西部でビジネス街として開発が進んでいる八角形の「セギ8ビジネス地域(CBD)」にある3万4088平方メートルの複合施設「88アベニュー」。スラバヤ〜グンポル高速の料金所から車で5分の立地で、不動産会社ワスキタ・カルヤ・リアリティとダルモ・プルマイによる企業連合(コンソーシアム)が開発する。
88アベニューには五つのマンションとオフィスビル、小規模住宅・オフィスビル、ホテルの計八つのビルを建設する。スケートリンクやモール、ビーチ付プールなど28の施設を併設する。近く着工し、2022年の完工を目指す。
開発業者は市の後押しを受け、南ジャカルタのクニンガンやスマンギのスディルマン・セントラル・ビジネス地区(SCBD)のように国際的なビジネス街とし、海外からの投資を呼び込みたいとしている。丹下代表は「いろんな人が集まることができる場所になるよう設計した。新しいライフスタイルを提供したい」と話す。
丹下都市建築設計はこれまで国立代々木競技場や東京都庁舎をはじめ30カ国で約400件の設計を手掛けてきた。2012年にジャカルタ事務所を設立し、設計した南ジャカルタ・クニンガンのダナモン銀行ビルは完成間近だ。他に首都圏で数件の着工前の設計を担当している。
丹下代表はインドネシアを「大きな可能性がある国」と見る。その理由として四季がなく年中暑いため、風通しの良い自由な設計が可能▽規制に対して柔軟▽都市が発展途上――を挙げた。今後もジャカルタだけでなく、地方でも手掛けていきたいとしている。(堀之内健史)