ゴルカル党の「アンタッチャブル」
「アンタッチャブル」。ゴルカル党の金庫番とされ、バクリー党首腹心のスティヤ・ノファント氏はこう呼ばれる。数々の汚職疑惑が指摘されてきたが、一度も訴追されず、昨年国会議長の座を手にした有力者だ。
1980年代、スハルト元大統領のいとこと共同でバタム島のゴルフ場開発を手掛け、リゾートやホテルの建設、工業団地の通信など多分野の事業に参入。99年国会議員に初当選した。ゴルカル党の選挙資金への不正流用が疑われた同年のバリ銀行金融疑獄で容疑者に認定。輸入米や電子住民登録証事業でも不正関与が疑われたが訴追されていない。
汚職撲滅委員会(KPK)は2013年、リアウ州の国体汚職事件に絡み、同氏の国会執務室を家宅捜索した。同年4月、週刊誌テンポはスティヤ氏の汚職疑惑を特集。ゴルカル党の最大献金者が手掛ける幅広いビジネスの実態を暴露した。
ことし9月には訪米中に、共和党の有力大統領候補ドナルド・トランプ氏の記者会見に同席したことが問題視されたが、公務の間に招待されただけと釈明し、私的な商談の場に利用したとの疑いについては明らかにされていない。