イ積極関与に期待 国会議員団と会談 南シナ海安倍首相
訪日中のスティヤ・ノファント国会議長ら国会議員団は12日、首相官邸で安倍晋三首相を表敬訪問、約15分間会談した。安倍首相は中国が人工島を造成するなどして緊張が高まっている南シナ海について「東南アジア諸国連合(ASEAN)が一体となってメッセージを発信することが重要」と述べ、インドネシアの積極的な関与に期待を示した。
今月開かれたASEAN拡大国防相会議は中国の南シナ海での行動に対する各国の態度の違いから共同宣言採択が見送られていた。スティヤ国会議長は両国の協力強化は、ASEANや国際社会にとっても重要であるとの認識を示し「南シナ海の問題を含め、地域の平和と安定のために、日本政府が効果的に協力し積極的に貢献していることに対し敬意を表する」と述べた。
スティヤ国会議長は経済分野での両国の協力深化を歓迎するとともに、防衛装備、防衛産業分野での協力拡大も期待していると述べた。また海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の調達を検討していると伝えた。
安倍首相は、二階俊博日本インドネシア国会議員連盟会長や福田康夫元首相が今月インドネシアへ派遣する千人規模の日インドネシア文化経済観光交流団を通じて、両国要人間の交流が一層活発になることに期待を示した。
国会議員団は同日、東京〜名古屋間を新幹線で往復した。スティヤ国会議長は同行のインドネシアメディアに、当初搭乗予定はなかったが、衆参国会議長との会談を通じて乗車を決めたと語った。一行は13日に帰国する。(堀之内健史)