支援の歌声、南の島から 宮良さん慈善コンサート バリ日本人会25周年行事
バリ日本人会は31日、創立25周年の記念行事の一つとして、沖縄県出身のソプラノ歌手、宮良多鶴子(みやら・たづこ)さんのチャリティーコンサートをサヌールのホテルで開いた。東ティモールや東日本大震災の復興支援活動に取り組んできた宮良さんは、孤児や被災者への思いを込めて歌い上げた。後半には、福祉活動支援に力を入れる同会の会員らが提供した美術品オークションも行われた。
宮良さんはオペラ歌曲からカンツォーネ、沖縄民謡、さらにはポップスなどさまざまな曲を圧倒的な声量で情熱的に歌い上げた。会場のイナ・グランド・バリ・ビーチ・ホテルに集まった観衆らは、1曲終わるごとに盛大な拍手を送った。
歌の合間には、宮良さんが続けている支援活動を伝えるビデオも上映。東ティモールでは、紛争で孤児になった子どもたちを訪ねたり、最近は現地と沖縄の子どもたちとの交流にも力を入れている様子が紹介された。
コンサートは、25周年を迎えたバリ日本人会が、日本語補習授業校をはじめとした活動に取り組んできた会員や協力してきてくれたバリ人など地域の人々への感謝の気持ちを表した企画。宮良さんは2011年5月にも、同会が主催した東日本大震災支援のチャリティーコンサートに出演している。今回は、東ティモール訪問の前にバリに立ち寄り実現したもので、善意で出演した宮良さんと同会は親交を深めている。
万亀子イスカンダール会長は「インドネシアには多くの日本人会があるが、バリ日本人会が異なるのは補習校を主宰し、日本とインドネシアをつなぐ国際感覚豊かな子どもたちを育成していること」「25年間、そうした活動を支えてきた皆さんにコンサートを通じて感謝したかった」と話した。
コンサート後半には、会員らが持ち寄った日本人形やバリ絵画のオークションも開催。1点当たり100万〜500万ルピアで主にインドネシア人参加者によって落札された。集まったお金は、バリ日本人会が毎年訪問している児童養護施設に贈られる。