日本はブランド意識違い 日イのデザイナー夫妻講演 国際交流基金招へい
日本人とインドネシア人のデザイナー夫妻がこのほど、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの招きで来イし、ジャカルタ各地の専門学校・大学で「日本のファッション文化」について講義した。インドネシアではファッションが商品として関心が持たれている一方で、日本ではより幅広い意味で捉えられているなど違いを説明。学生らは、日本で活躍する夫妻の話に熱心に耳を傾けた。
訪れたのは、ファッション・マーチャンダイザーの前島一巳さんとインドネシア人デザイナーのランドラさんの夫妻。2日間にわたり、専門学校・大学4校のデザイン学科の学生らに特別講義を開き、合わせて500人以上が受講した。
ニューヨーク州立ファッション大学で知り合った二人は、インドネシア産のバティックを使ったブランド「ランカ」を1997年に日本で設立。オリジナルデザインのバティックを使い、繊細なビーズ刺しゅうを施した服や小物が50〜70代の女性にうけている。
西スマトラ州パダン出身のランドラさんは、「日本の四季がデザインの刺激になっている」と自らの体験談を紹介した。
夫妻は、ビジネスの視点から日本の顧客が持つ特長や関心についても解説。夫の前島さんは「インドネシアでは洋服やブランドへの関心が高いのに対し、日本では洋服だけでなくメークなどファッションの幅が広がっており、ブランドへのこだわりも低い」と比較した。
夫妻によると、日本でファッションの勉強を望むインドネシア人学生が多いという。各講義の後には、自分の作品を評価してもらおうと夫妻に見せたり積極的に質問しに来る学生の姿もあった。
前島さんは「熱心な学生が多く、教えがいがあった。今後拡大していくインドネシアのファッション市場に合わせた作品を作っていってほしい」と若い未来のデザイナーたちへ期待を込めた。(木村綾)