三菱商事・リッポー提携 オレンジ・カウンティ開発加速 マンション2棟建設

 西ジャワ州ブカシ県チカランの大規模都市事業「オレンジ・カウンティ」の開発が進んでいる。大手財閥リッポー・グループは28日、中央ジャカルタのホテルで三菱商事と不動産事業を展開する合弁企業設立の調印式を開いた。両社は合弁企業を通じオレンジ・カウンティ内に総事業費約90億円で分譲マンション2棟の建設を始める。
 三菱商事はリッポー・グループと昨年6月から同事業での協力を進めてきた。両社の合弁企業「ダイヤモンド・リアルティ・インベストメント」の出資比率はリッポー・グループの「リッポー・チカラン」が51%、三菱商事が49%。資本金は未定。地上40階となる分譲マンション2棟の建物面積は約6万5千平方メートルで、総戸数は約1200戸。着工は2016年4月で、19年4月に完成予定。
 新たな分譲マンションは三菱地所設計が担当し、日本の建築技術を取り入れる。「(以前に発表したマンション4棟とは)全く異なる新しいコンセプト。日本の建築様式は空間をきれいに作る」(リッポー・チカラン、ミョー・チョン・ロー社長)と期待を込める。
 両社は今後住宅や商業施設、病院などの不動産関連事業のほか、REIT(不動産投資信託)など金融面で幅広く協力していく方針で、今回の分譲マンション建設がその最初の事業となる。
 すでに売り出された分譲マンション4棟は完売。海外の投資家が購入者の20〜30%を占め、4棟目の「バーバンク・スイーツ」は日本企業の三光ソフランが大部分の区分所有権を購入し賃貸事業を始める予定だ。コンサルティング事業を手がけるフォーバルも12年にリッポー・チカランと組み、チカラン地区に日本企業向けのレンタル工場を設立。現在27社が入居し稼働率は7割。ミョー社長は「日本の百貨店にも来てもらいたい」とさらなる日本企業との協同を模索している。
 リッポー・チカランは事業収益モデルの転換を図っており、工業団地経営などの産業分野から住宅・商業施設分野に重点を置く。オレンジ・カウンティがその筆頭だ。15年上期決算では住宅、アパートメント、ショッピング施設収入が4771億ルピアで、前年同期(2217億ルピア)に比べ2倍以上になった。ミョー社長は来年以降にオレンジ・カウンティが収益に反映されると試算する。
 調印式に参加した谷崎泰明駐インドネシア日本大使は「両社の協力が東部ジャカルタ圏で働く人たちの住環境を、より快適なものにしてくれると確信している。日本からの投資を増やすきっかけにもなる」と祝辞を述べた。リッポー・グループの創始者モフタル・リアディ氏は「この場所が今後、インドネシア経済のハブになる」と強調した。
 オレンジ・カウンティは、リッポー・グループがチカランで322ヘクタールの土地を用い、住宅や商業施設、学校、病院などの都市機能を備えるニュータウン開発計画で、ことし2月に最初の分譲マンションを着工した。1棟目は杭(くい)打ち工事など基礎工事を終えている。(佐藤拓也、写真も)

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