バティック工房と初コラボ JFW開幕 日本人デザイナーら参加
インドネシアのファッションを世界に発信する祭典「ジャカルタ・ファッション・ウィーク(JFW)2016」が24日、中央ジャカルタのスナヤンシティで開幕した。30日まで1週間にわたりファッションショーなどが開かれ、デザイナー約250人による3千を超える衣装が紹介される。日本やオーストラリアなど海外6カ国からも参加し、インドネシア人との共同制作作品も披露される。
JFWは女性ファッション誌大手のフェミナグループが主催し、ことしで8回目。初日は、デザイナー約50人が自作衣装を身につけたモデルと共にランウェイを歩き、華々しくオープニングを飾った。開会式で同グループのスビダ・アリシャバナCEO(最高経営責任者)は「JFWは単なるファッションショーにとどまらず、デザイナーの人材育成を通じて業界の発展を目指してきた。ジャカルタをファッション界のメーンプレーヤーにしたい」と会場を沸かせた。
■「素敵な人たちと」
25日には一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構と共催で、3回目となるショー「ジャパン・ファッション・ウィーク・イン・ジャカルタ」が開かれ、観客の注目を集めた。日本人デザイナー、スズキタカユキさんがソロのバティック工房「バティーク(Bateeq)」と初めてコラボレーションした服やスカーフを含む36作品が披露された。スズキさんは、ゆずや絢香など有名ミュージシャンの衣装も数多く手がけるデザイナー。
ショーのために約3カ月前からソロの工房に足を運び、職人の縫製などの技術の高さに驚いたという。10年以上、白や黒などの無地の作品に取り組んできたが、柄物に挑戦するのは初めて。ショーではインドネシア人デザイナーと共同で作ったバティックを用いたムスリムファッションなどが披露された。スズキさんは「伝統的なバティックモチーフを今の時代に合わせてモダンに仕上げた。素敵な人たちと仕事ができ刺激になった」と振り返った。
■グレースーツの知事
ことしのJFWには、ジャカルタ特別州のアホック知事が初めて出席した。ダークグレーのスーツ姿でフェロニカ・タン夫人ともに会場に姿を見せた知事。普段の制服姿とは異なる出で立ちで、観衆の目を引いた。開会のあいさつでは「若手デザイナーのために州は共同作業スペースを提供する必要があるだろう」と育成を支援する姿勢を見せた。
期間中は、屋外の特設テントやモール1階のメーンアトリウムでショーが開かれるほか、26日からはモール8階でデザイナー50人以上がバイヤー向けに来年春夏のコレクションを展示する。29日からは一般向けに140以上のブースで服やアクセサリーを販売する入場無料イベントもある。(木村綾、写真も)