「巡礼観光」を促進 ビザ免除も効果 外国人誘致

 政府は世界遺産ボロブドゥール寺院をはじめとする宗教関連の観光資源を重点的に宣伝・整備する。ビザなど規制緩和を追い風として、多様な宗教文化を持つ強みを生かした「巡礼観光」を海洋観光とともにアピールし、外国人観光客を増やす。   

 リザル・ラムリ海事調整相(観光省を所管)はこのほど「ボロブドゥールを(世界中の)仏教徒の名所にしたい。カンボジアのアンコールワットより美しい」と地元メディアに語った。中部ジャワ州マグラン県にあるボロブドゥール寺院は国内有数の観光地で世界遺産でもあるが、カンボジアのヒンドゥー教寺院アンコールワットに比べると世界的な観光地としての知名度は低い。リザル調整相は、世界の仏教徒が一生に一度は訪れたい場所にするとの目標を掲げた。
 アリフ・ヤフヤ観光相は「インドネシアには非常に競争力のある国際的に認知された宗教を基にした観光地がある」と宗教関連の豊富な観光資源を強調。一方でそうした観光地について「管理や観光ツアーパッケージ(の作成)、プロモーションだけでなくマーケティングも真剣に開発していく必要がある」と未整備であるとの認識を示した。
 インドネシア国民向けの観光地としては、ジャワ島にイスラムを伝播した9人の伝道師「ワリソンゴ」のゆかりの地を整備する。西・中部・東ジャワ州にまたがっており、特に観光資源として期待できるのが東ジャワ州スラバヤ北部のアンペル・モスク。ワリソンゴの1人スナン・アンペルが1421年に建設した国内最古のモスクの一つ。アラブ様式の建築で、その歴史から国内外から観光客が訪れる。
 ワリソンゴ関連の観光地には昨年122万人のインドネシア人が訪れたが、19年には1800万人とすることを目指す。
 観光客増加政策の柱として6月に始めた日本などへのビザ免除は効果を上げ、外国人観光客が急増、今年の目標である千万人は達成する勢いだ。1〜8月に訪れた外国人観光客は前年同期比2.9%増の630万人。ビザ免除効果が現れた8月単月では前年同月比16%増だった。さらに増やすため10月には観光ビザ免除国を計92カ国としている。
 観光省は観光インフラ整備で北スマトラ州のトバ湖、ジャカルタ特別州プラウスリブ、バンテン州タンジュンルスン、ジョクジャカルタ特別州など10カ所を優先的に開発する方針を掲げている。ビザやクルーズ船寄港などの規制緩和と、観光地整備の両面から外国人観光客誘致を強化する。(堀之内健史)

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