メガ氏 習主席と会談 海洋分野 協力関係強化で一致
メガワティ元大統領は15日夜、北京市内の人民大会堂で習近平国家主席と会談し、海洋分野で協力関係を強化する方針で一致した。メガワティ氏は12〜15日に訪中し、イ中国交樹立65周年の記念式典に出席するなど両国の友好関係を強調した。15日には、韓国に向け出発し朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談を調整している。
習主席との会談後、アンタラ通信の取材に応じたメガワティ氏は「習主席と包括的な戦略関係を築いていくことについて話し合った」と会談の趣旨を説明。「インドネシアと中国は多くの協力関係を結ぶことができる。特に海洋分野での協力だ」と説明した。
中国は一帯一路(新シルクロード)構想を掲げ、欧州から中国に至る「陸路」と中国沿岸から中東に至る「海路」の強化を目指している。メガワティ氏は同構想と、インドネシア政府の掲げる海洋国家構想を並列し「両国の目指す方針には共通項がある。海洋整備を進め東部インドネシア地域の発展につなげるために、協力関係を揺るがないものしていきたい」と述べた。
両氏は闘争民主党(PDIP)党首と中国共産党の最高指導者としての立場でも友好関係を確認した。両党は2006年に良好な友好関係を目的とする覚書を結んでいる。
メガワティ氏は習主席との会談前に、スグン・ラハルジョ駐中国兼モンゴルインドネシア大使らとシルクロード構想などが主題の「アジア政党国際会議」の特別会合に、PDIP党首として出席。会合で「われわれは温暖化対策や南シナ海、中東問題などの解決に向け、努力していく」と演説した。同会議には、各国から政党代表者ら約300人が出席した。
メガワティ氏は今回の訪問で両国間の友好関係強化を図りたい考え。会談前には「イ中の兄弟関係は疎遠だった時代もあったが、インドネシアは常に中国の政策に足並みをそろえてきた。今後も中国の政策を支持していく」と強調した。
メガワティ氏の訪中には、前中国兼モンゴルインドネシア大使のイムロン氏らが同行。他に深圳で「スカルノの家」の起工式に出席するなどイ中国交樹立65周年記念行事に参加した。
PDIPの海洋水産局長のロフミン氏によると、メガワティ氏は習主席との会談後、韓国へ出発。訪韓では、朴大統領との会談を調整している。
メガワティ氏は済州市に建設中の「メガワティ公園」の開所式に出席するほか、韓国海洋大学校の名誉博士号授与式に出席。また、釜山と海洋に関する友好関係を結ぶ覚書の調印式に出席予定だ。(佐藤拓也)