日本野球機構が視察 実力底上げの機会に イ野球界と協力模索

 日本野球機構(NPB)がインドネシア野球界との協力や支援を模索している。NPBは野球を国内外で普及させようと活動を展開しており、協力が実現すれば、インドネシア野球界にとって実力底上げの機会となる。

 NPBは昨年、国内外の野球普及を目的に野球振興室を設立。国内では学校教育などを通して普及活動をしている。国外にも野球を広めることを目指しており、平田稔室長がこのほど初めての海外視察としてインドネシアを訪れた。
 インドネシア代表チームの野中寿人監督とともにインドネシア・アマチュア野球・ソフトボール連盟や青年スポーツ省、インドネシア・オリンピック評議会(KOI)幹部などと意見を交換したほか、首都圏の野球施設を視察した。
 平田室長によると、海外への野球普及では代表チームの支援から教育現場での紹介までさまざまな協力の可能性を模索している。野球は世界的にはサッカーなどに比べてマイナースポーツである上、最近は日本のほか米国、キューバでも野球離れが指摘されており、NPBは危機感を抱いているという。
 平田室長はインドネシアとの協力の可能性について「ソフトボールが普及しており、野球も知られていないわけではない」と期待感を示した。資金や指導者が不足しているインドネシア野球界にとってもNPBとの協力が実現すれば朗報となる。

■侍ジャパンサイトに連載
 野中監督はこのほど、侍ジャパンウェブサイト(運営・NPBエンタープライズ)でインドネシアの野球事情を伝えるコラムの連載を始めた。
 連載しているのはウェブサイトの「世界の野球」ページ。あまり知られていない世界の野球事情を各地で野球に関わる日本人を通して伝えている。野中監督のほかにパキスタン代表の色川冬馬代表監督、ニュージーランド代表統括コーチを務める元ロッテの清水直行氏も連載している。
 野中監督は日系企業から資金を募らざるを得ない状況やアジア選手権での試合の様子、インドネシア野球への思いなどを9月10日の第1回から今月4日までに計10回投稿している。(堀之内健史)

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