日本の芸人、歌手と熱く 3日間のAFA・ID 企業・マニアもPRに力
25日から3日間の会期で開催された「アニメ・フェスティバル・アジア・インドネシア(AFA・ID)」。2012年から毎年開催されてきた同イベントは、日本のミュージシャン、声優、芸人も多数出演した。出展した企業・団体・個人の業種・分野はさまざまで、参加者はブースで声を上げて来場者を呼び込みプロモーションに力を入れ、会場は熱気に包まれた。
4回目となる今年は、ブース出展ホールにアニメ関連グッズやCD、漫画本を販売する52のブースが出展。メード風や執事風にコスプレした店員が迎えた「AFA CAFE」が人気だった。
クールジャパン・ラウンジのブースでは、催しが立て続けに企画され、日本の5人組バンドFLOWがトークショーに出演した。ほかにもよしもとクリエイティブ・インドネシア所属で「住みますアジア芸人」としてインドネシアで活動するピン芸人「アキラ・コンチネンタル・フィーバー」さんや「そこらへん元気」さん、トリオの「ザ・スリー」が来場者とけん玉で交流を深めた。
ピンク・レディーの曲を歌い踊るアイドルグループ「ピンク・ベイビーズ」も登場した。
5月の南ジャカルタ区ブロックMでの縁日祭出演以来、2度目の来イで、26日にはメーンステージでJKT48とともにトークショーを盛り上げた。
25、26両日のメーンステージでは主要イベント「I LOVE anisong」があり、FLOWをはじめ、日本人女性歌手Lisaさんらがステージで歌い上げた。
男子大学生のリズキ・ザカリアさん(18)は初めての来場。「FLOWのライブは迫力があってかっこよかった。故郷カリマンタンにいる恋人のために、アニメグッズのお土産もたくさん買えた」と満足げだった。
■電子漫画も売り込み
11月に日本漫画のインドネシア語訳版を扱う電子書店「MangaMon(マンガモン)」を開設するイーブックイニシアティブジャパン(東京都千代田区)は、同書店が体験できるブースを出展。コスプレイヤーが漫画一冊分を購入できるクーポンとフライヤーを計5万部配った。
海外事業部の篠原義英プロデューサーは「AFAへの出展は、まずコアなファンに知ってもらうことが目的」。書店オープンと同時にジャカルタで1カ月間開設するコンセプトカフェに勢いをつなげたいと意気込んだ。
広報担当の木元佐代子さんも「コスプレイヤーによるクーポン配布で効果があった。マンガモンに興味を持ち、その場で入会してくれた人もいた」と手応えをつかんだ。
■地元クリエーターも
ブース展示ホール一角の「クリエイターズ・ハブ」では、インドネシア人のデザイナーやアマチュア漫画家が手がけた同人誌やキーホルダーを売るブースが並んだ。
南ジャカルタ区クマンにあるマチコ・マンガスクールのユリアニス・レオナ校長らも出展。有志らが作ったインドネシア語や英語の同人誌、キーホルダー、メモ帳を陳列した。AFA・IDには2014年から参加し「前回の場所は2階でなかなか人が来なかったが、今年は心を込めて描いた作品を多くの来場者が手に取ってくれた」と笑顔をこぼした。
販売した同人誌のうち、一部は11月にジャカルタ・デザイナーセンターで開かれるイベントで続編を発刊するという。(山本康行、写真も)