5人工島を港湾開発 ロッテルダム港視察 アホック知事 「ジャカルタ港」提案

 ジャカルタ特別州のアホック知事は20〜24日、欧州最大の港を持つオランダのロッテルダム市を視察した。知事は同市に加え、国営港湾管理第2、第3ペリンドとも協力し、タンジュンプリオク港と建設中の新ターミナル、ジャカルタ沖に造成する複数の人工島を合わせて「ジャカルタ港」として総合的に開発し、アジアの海運のハブとする構想を明らかにした。                                     
 州は東の西ジャワ州ブカシから西のバンテン州タンゲランまで防潮堤を建設し、その内側に17の人工島を造成する計画を進めている。
 アホック知事によると、建設中の北ジャカルタ・タンジュンプリオク港の新コンテナターミナル、カリバル(ニュープリオク)のほか、第2ペリンドとジャカルタ特別州、ジャヤ・アンチョール開発公社が所有する予定の人工島5島を合わせて「ジャカルタ港」と名付け、港湾機能を重点的に開発する。
 インドネシア政府はオランダと協力し、2013年から人工島や防潮堤の造成を含む「首都統合沿岸開発(NCICD)」に着手。これまでロッテルダム市長は3回ジャカルタを訪れ、アホック知事に同市視察を要請していた。今回知事や第2ペリンドのリノ社長、国家計画開発省(バペナス)、州営不動産ジャカルタ・プロペルティンドなどの関係者が同国の公共事業・環境省などと協議して構想を深めた。
 アホック知事は「ロッテルダム港は欧州の中心。われわれはアジアの中心となる」と述べ、同港の開発・運営費は3.5兆ルピアに過ぎず、州予算の使途不明金だけで賄えると指摘。また大規模な港湾開発で「貨物滞留時間も減らすことができる」と強調した。
 巨大防潮堤・人工島計画はアホック知事が副知事時代から支持してきた。2024年から運用する予定で、17島全てが完成するには20〜30年かかるとしている。観光や娯楽などそれぞれの島に特化した機能を持たせる計画だ。建設事業には中国や韓国も興味を示している。
 アホック知事はロッテルダムで雨水の利用施設を見学したほか、ごみ処理や水処理の分野でも協力を深めることで合意した。(堀之内健史)

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