地元紙「親米で対立」 大統領と外相に不仲説 マルティ氏は否定

 ユドヨノ大統領とマルティ・ナタレガワ外相の間に亀裂が生じていると地元メディアが報じ、外相自身や政府中枢が弁明に追われている。外相が昨年十一月の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の会期中、オバマ米大統領が豪州ダーウィンに海兵隊を駐留する方針を発表したことに対して「緊張と不信の悪循環を招きかねない」と発言をしたことが亀裂の表面化の原因との見立てだ。

 マルティ氏の発言は当時、諸外国のメディアでも「アジア太平洋で権益拡大をもくろむ米国へのインドネシアやASEAN側のけん制」との見方で報じられた。これが「米国との良好な関係を重視するユドヨノ大統領の逆鱗に触れた」と地元メディアは観測する。
 亀裂が表面化した例として、ASEAN会議の閉会式で行われた記者会見中、マルティ外相ではなく第二期政権発足直後まで外交担当の大統領報道官を務めていたディノ・パティ・ジャラル駐米インドネシア大使を呼び寄せて外国メディアの質問に対応したことや、昨年末の新任大使の信任状提出の式典で、担当閣僚のマルティ外相が背後に隠れるように座っていたことが挙げられている。
 英字紙ジャカルタポストは式典の外相の座席について「極めて珍しい」とするベテラン外交官の発言を掲載した。
 これに対し、マルティ氏は同紙との会見で亀裂騒動について「まったく根拠がない」と反発。「これまでの二年間を見れば分かるように、私は大統領のために働き、米露を含めた地域の枠組み作りを推し進めてきた」と強調した。
 インドネシア科学院(LIPI)のイクラル・ヌサ・バクティ研究員は「このタイミングでマルティ氏の更迭を断行すれば、『米国の親友』とのレッテルをはられ、市民から疑念を持たれるだろう」との見方を示している。

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