日本の焼却実績活用も ごみ処理の共催ワークショップ JICAと環境林業省

国際協力機構(JICA)と環境林業省は共催で2日、中央ジャカルタのボロブドゥール・ホテルで廃棄物処理技術の導入を議論するワークショップを開いた。日本側からは、東京都での大型焼却施設の運用実績などが紹介された。インドネシア側からは環境林業省のほか、公共事業省、エネルギー鉱物資源省から幹部が登壇。地方自治体20都市の担当者も出席し、今後のインドネシアのごみ処理の展望について議論した。 

 ワークショップで登壇した環境林業省担当者のスディルマンさんによると、ジョコウィ大統領は6月に関係省庁関係者を呼び「ごみ戦争」を宣言。12月をめどに大統領令を発令し、抜本的な解決を目指す姿勢を強調し、関係省庁も同じ方向で動いていると説明した。
 バンテン州タンゲラン市やリアウ諸島州バタム市などの地方自治体関係者は、地元でごみ問題が深刻化しており、身近な課題として聞き入った。ジャカルタの首都圏では、1日に出るごみの総量は約6千トン。ごみの最終埋め立て地となる西ジャワ州ブカシ市バンタルグバン処分場の容量は、今後10年以内に満杯になると指摘されており、今後の解決策が必要になっている。
 ワークショップで発表した東京二十三区清掃一部事務組合の山中貴宏主任は、東京で焼却施設を運営している実績を説明。まだ大規模な焼却施設のないジャカルタで、導入ノウハウを提供できるとアピールした。
 日本の環境省から環境林業省に出向しているJICA専門家の塚田源一郎さんによると、「ごみの基準類の区別や施設を建設するための資金調達方法などが課題」という。一方で、バタム市で廃棄物焼却発電施設の入札案件が進んでいるなど、徐々に焼却施設の導入の動きが出始めているという。
 JICAインドネシア事務所の安藤直樹所長は「インドネシアのごみ処理問題は重要な時期になっている。このワークショップでさらに議論を深めたい」と目的を語った。(佐藤拓也、写真も)

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