インフラ予算 8%増 食料・医療にも重点 2016年予算案提出
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は14日、2016年の国家予算案を国会に提出した。インフラ予算は15年修正予算比8%増の313兆5千億ルピアとした。食料増産や医療・福祉分野にも重点的に取り組む方針を示した。
インフラ予算はユドヨノ前政権が組んだ15年予算に比べると6割以上増えている。予算演説でジョコウィ大統領は「経済の競争力を高めるために、インフラ開発や食料、エネルギーなど生産的な支出を増やす」と述べた。
インフラは道路や橋、港、空港の建設を推進するとした。食料主権を確立するため、特にコメやトウモロコシなどの基礎食料の生産を強化すると述べた。
歳出総額は15年修正予算比7%増の2121兆3千億ルピアで過去最高。中央政府支出は1339兆1千億ルピア。地方交付金は同18%増の782兆2千億ルピアとし、初めて省庁・政府機関向け予算(780兆4千億ルピア)を上回り、地方の開発を進める姿勢を反映させた。
ジョコウィ大統領は「政府は社会保障に焦点を当てなければならない」と述べ、医療関連予算は15年修正予算比43%増の106兆1千億ルピアと大幅に増やした。
歳入総額は同5%増の1848兆1千億ルピア。税収は1565兆8千億ルピア、税外収入は280兆3千億ルピアとした。
ジョコウィ大統領は中央・地方の予算執行の監視強化や、経費など「生産性の低い予算」を抑えることで「経済成長を達成し、貧困率や失業率を減らし、公平に発展させる」と述べた。
実質国内総生産(GDP)成長率は5.5%、ルピアの対ドルレートは1万3400に設定した。年間インフレ率は4.7%を目指す。(堀之内健史)