プリオク港でスト 輸出入、一部に影響 外資の契約更新に抗議

 国内最大の港湾である北ジャカルタのタンジュンプリオク港の運営会社ジャカルタ・インターナショナル・コンテナ・ターミナル(JICT)の従業員が28日、ストライキを決行、物流業務に一部支障がでた。警視庁は貿易業務を妨害し、国益を損ねるストライキを厳しく取り締まる方針を示している。

 日系運輸業界の関係者によると「積み込みや荷下ろしをする作業員がストライキを決行した。コンテナを運ぶトラックにやや影響がでた」。「遅れはでたが、今日の搬送分は滞りなく船に積み込むことができた」(運輸業者)という。
 地元メディアによると、JICTの人事部などの社員2人が27日、解雇通知を受けたのに従業員が反発、ストライキに発展した。
 ストライキは午前8時ごろ始まり、社員約100人がコンテナトラックの輸送業務を妨害した。関係者によると、ストは午後3時ごろに収束したが、コンテナを積み込みできないトラックが一時、港湾から3キロほど並んだという。
 JICTの労働組合はストライキで▽一方的な解雇通告の取り消し▽JICTの経営を実質的に支配している第2ペリンドのリノ社長の解任▽香港企業の港湾会社ハチソン・ポート・ホールディングス(HPH)が持つJICT共同運営権の契約更新取り消し――の3点を要求した。
 JICTは、国内に計100ヘクタールのコンテナターミナルを持つ国内最大の港湾運営会社。同社の主要株主は国営港湾運営の第2ペリンドと、香港企業のハチソン・ポート・ホールディングス(HPH)。
 HPHのJICTを共同運営する権利は2019年までだったが、第2ペリンドはこの契約期間を20年間更新する方針を決めた。リニ・スマルノ国営企業相が6月に契約延長を承認したことで、2039年までの更新が決まっている。
 これにJICTの労働組合は抗議。8日には中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)前でデモをするなど抗議活動を続けていた。
 第2ペリンドのリノ社長は28日、メトロTVニュースに「タンジュンプリオク港の物流業務は国益に直結する」と事前通知なしのストライキに厳しい対応を取る姿勢を示した。同社長は「JICTのシニア・ディレクターの給料は1億ルピアで私とほぼ一緒だ。なぜデモをするのか分からない」と話した。
 労働組合は「契約更新で儲かるのはリノ社長だけ」と主張。ユスフ・カラ副大統領も「港湾で働く社員の福利厚生の水準を上げるべき」と擁護した。ジョナン運輸相も契約の更新は運輸省の影響力が行き届かなくなると反対姿勢を示している。
 ティト・カルナフィン警視総監は「JICTのストライキを再発させないよう努める」と述べ、再度ストライキをした場合、法的な措置を辞さない方針を示した。(佐藤拓也)

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