19年に10〜15ホテル展開 日本のブリーズベイが進出 パクブウォノのホテル経営権取得
日本のブリーズベイホテル(BBH、本社・横浜市中区)は、首都ジャカルタ特別州を中心にインドネシア国内でのホテルチェーンの展開に乗り出す。第1弾として、南ジャカルタ・クバヨランバル地区パクブウォノにあるヴェランダホテルの経営権と運営権を取得し、今後も年2〜3件のペースで拡大し、2019年には国内だけで10〜15ホテルの運営を目指す。
BBHは日本で地方都市を中心に現在81のホテルを保有・運営している。バブル経済崩壊で経営の悪化したホテルに資本参加し、改装したうえで再建するホテル再生事業を得意とし、急速にホテル網を拡大した。2014年11月期の売り上げ規模は約180億円、総客室数は約8千室。
6月中旬に、BBHはヴェランダホテル運営受け皿会社の株式の40%を受け皿会社の株主である地場民間建設大手PBKと個人株主から取得した。株式保有比率は50%を下回るものの、契約に基づき同ホテルの経営権と運営権を握った。
ヴェランダホテルは8階建てで客室数184。BBHにとり、タイのバンコク近郊に持つ「ザ・シティホテル・シラチャ」(客室217)に続く海外で二つ目のホテルになる。
BBHは、景気回復に伴い日本国内での成長機会が低下していることから、今後大きな成長が期待できる分野としてアジアに注目、タイと並ぶ重点国としてインドネシアへの進出を決めた。
進出場所としては、日系企業が集積している工業団地へのアクセスが良い場所に絞る。「リゾート分野への進出は考えていない」(津田則忠ブリーズベイホテル社長)とし、具体的には、ジャカルタ特別州内、西ジャワ州ブカシ県のチカラン、同州バンドン市などで年2〜3件ペースでの展開を計画している。地元資本との提携・資本参加のほか、自社単独でのホテル建設も視野に入れる。
インドネシア、タイのほかに、ベトナム、ミャンマーなどへの進出も検討し、19年には、日本での客室1万2千室、海外(アジア)で同3千〜4千室の展開を計画している。
ヴェランダホテルは5月下旬にソフトオープンし、約120室が稼働中。8月中旬のグランドオープン時には、全室稼働を予定し、現在正面ロビー部分の工事と客室の内装工事を進めている。
価格帯は標準タイプの部屋で1室7千〜8千円程度に抑える一方、日本で培った接客のノウハウを活用し、「リーズナブルな価格で四つ星ホテル並みのサービスを提供したい」(津田社長)としている。
日本人客比率は3〜4割(ジャカルタ特別州内のホテルの平均は約1割)を想定し、日本人客のため、ホテル内に日本食レストランの誘致や露天風呂風施設の設置を検討している、という。(西川幸男)