日イ混成バンド初出演 NGG―BH「面白い演奏したい」 サッポロ・シティ・ジャズ

 日本最大級のジャズの祭典「サッポロ・シティ・ジャズ(SCJ)」(主催・同実行委員会)が9日、北海道札幌市で開幕した。8月29日までの会期中、今月20日には日本人とインドネシア人の混成フュージョン・バンド「ノー・ジェネレーション・ギャップス・ビザール・ヒストリー(NGG―BH)」が出演。ジャカルタの「ジャワジャズ・フェスティバル」で「札幌がジャズの街になる」をテーマに掲げ、ミュージシャンの招致に取り組んできたSCJに、インドネシアから日イ混成バンドが初めて参加する。

 NGG―BHは20日午後2時、メーン会場の「大通公園2丁目サッポロミュージックテント」でプロ・アマチュアバンド10組が集い優勝を競う「パークジャズライブコンテスト」に、ファイナリストの一組として出演する。同コンテストは、パークジャズライブの参加バンド350組のうち、事前音源審査を勝ち抜いた10組がライブをし、優勝を決めるというもの。18、19両日には各バンドが市内14カ所でライブする「パークジャズライブ」にも参加、トリを務める。
■日イの音楽仲間
 NGG―BHは1年半ほど前に結成。日本人メンバーはジャカルタ在住28年目の安齋俊哉さん(ギター)と4年間のジャカルタ在住経験を持ち、現在、東京都杉並区荻窪を中心に音楽活動をする宮川隆さん(キーボード)の2人。
 インドネシア人は、ライブシーンで活躍中の若手女性ドラマーのアディスティさんをはじめ、安齋さんとバンド活動を共にしてきたサックスのホスディマンさんやベースのアルディさんの3人。安齋さんが作詞作曲した曲に、メンバー全員がメロディーを紡ぐ。タイトなリズムとホスディマンさんの柔軟なサックス演奏の融合が特徴だ。
 安齋さんによると、パークジャズライブとパークジャズコンテストの存在を知ったのは2014年。ジャカルタで毎年開催しているインドネシア最大級の音楽イベント、ジャワジャズ・フェスティバルに出展していたSCJブースに立ち寄り、関係者に話を聞いたことがきっかけだった。パークジャズライブは希望するバンドが出演できると聞いて応募。さらに出演だけでなく、コンテストにもエントリーするために楽曲音源などを送った。 
 コンテスト優勝バンドは、来年6〜7月にカナダで開催予定の「カナダジャズフェスティバル」への出場権が得られ、SCJ実行委員会から参加渡航支援金が最大100万円提供される。
 インドネシア人メンバーは全員、日本へ行くのが初めて。「出発前の最後の練習を終え、ある程度の手応えを感じている」「インドネシアから来たバンドはなかなか面白いぞ、と言われるような演奏をしたい」とメンバーそれぞれが意欲を燃やす。
■「ようやく実を結ぶ」
 SCJは「札幌がジャズの街になる」をテーマに2007年に始まり、今回で9回目。昨年のジャワ・ジャズのブースでは、10年のSCJパークジャズライブコンテスト優勝者のギタリスト、山木将平さんが演奏するなど、インドネシアにSCJを売り込んできた。
 SCJ実行委員会の池田望チーフディレクターによると、ジャカルタでPR活動をするだけでなく、双方の交流を視野に入れてきた。「今まで細々とジャカルタでやってきたPR活動が、ようやく実を結ぶ瞬間です」と笑顔で語った。(山本康行)

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