日本へバナナ輸出開始 商業省が発表 8年ぶり 6月に800トン
商業省はこのほど、バナナの日本輸出が6月から始まったと発表した。日本へのバナナの輸出は2007年以来、8年ぶり。フィリピンが圧倒的シェア(市場占有率)を占める日本市場でのシェア獲得を狙う。
6月に輸出されたバナナは800トン。主にランプン州北ランプン県のヌサンタラ・トロピカル・ファームが生産したバナナだ。輸出を手がけたのはトランスパシフィック・フーズ。輸入代理店のトランスパシフィック・フーズ・ジャパン(東京都千代田区)のテリー・バハル社長は「輸出するバナナの品質を向上させて、将来的には日本市場でシェア10〜15%を獲得したい」と話す。7月以降も継続して輸出を進め、段階的に輸出量も増やしていくとしている。日本に輸出されたバナナは、イオンや西友などスーパーだけでなく、セブン―イレブンなどのコンビニエンスストアにも流通させる方針だ。
日本で消費されるバナナは、99%が海外からの輸入品。輸入国の割合では1位がフィリピン(約87万4千トン、92%)、2位がエクアドル(約4万8千トン、5%)、3位がメキシコ(約7千トン、0.7%)。フィリピンが圧倒的なシェアを誇っている。
しかし、フィリピンからの輸入量は2013年のハリケーン被害などで、2012年の約102万トンが13年には約91万トンへと減少傾向にある。政府は日本の市場に参入できる好機とみて、07年を最後に途絶えていたバナナの輸出を決めた。
ユスロン駐日インドネシア大使は「日本は輸入農産品に対する品質衛生基準が厳しいことで知られている。今回の輸出で、インドネシア産バナナの品質が高いことが証明された。バナナの輸出は、他の果物の輸出にもいい影響を与えるだろう」と語った。
インドネシアから日本へ輸出される果物では、パイナップルが日本市場の約20%を占めている。政府はバナナやパイナップルの他にも、日本への果物の輸出を促進させたい意向を示している。(藤本迅)