日暮れ、活気あふれる人々 断食月中の特別販売所 パサール・ベンヒル

 中央ジャカルタの伝統市場パサール・ベンヒル前の路上で、ブカ・プアサ(1日の断食明け)向けに食事を提供する特設販売所に活気があふれる。ラマダン(断食月)中、日が暮れる午後6時ごろは断食を終えたムスリムたちが食事をし、疲れを癒すとともに、仲間と憩うひととき。揚げ物や飲料、菓子など20以上の店が並び、買い出しにやってきた市民に、笑顔で接する商人の姿があった。

 「どれでも一つ2千ルピア。見て買ってちょうだい」。客呼びをする声をひときわ響かせていたのは、揚げ物などの総菜を売るヤニさん(30)。毎年、この時期はベンヒルに出店する。販売商品は全26種類。野菜入りのマルタバックやタフなどの揚げ物、ロントン(バナナの葉で蒸して固めたご飯)とさまざま。午前11時から午後7時まで店を出す。ブカ・プアサ開始前の午後5時ごろが書き入れ時だ。
 前日午後10時からスネンの自宅で調理し、翌日にベンヒルまで運んでくる。1日販売分でマルタバック300個、タフ500個、ロントン300個を用意。売り上げは多い時は1日200万ルピア。特設販売所は、州政府からの営業許可を取っている。テーブル一つ当たりの賃料は1日2万ルピア。売り上げから支払っているという。
 ヤニさんは特設販売所に出店し続けて今年で5年目。「商品は、買ったお客さんが家族や友人と一緒にブカ・プアサの時に食べてくれる。毎年、笑顔で楽しんでくれることを願って仕事をしています」と話した。
 買い出しにきた自営業のアミンさん(26)は、2万ルピア分の揚げ物と菓子を調達。「妻が妊娠しています。今年はお腹にいる子どもと3人でブカ・プアサの食事。家族にとって特別なラマダンです」と笑みを浮かべた。(山本康行、写真も)

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