イ人の好反応に驚き 上方落語家・桂三四郎さんに聞く 「感情起伏の笑いは世界共通」
13〜15日にジャカルタで落語会を開いた桂三四郎さん(33)。インドネシアで海外初の独演会に挑み、英語でも落語を披露。在留邦人はもちろん、初めて落語に触れるインドネシア人も笑わせ、心をつかんだ三四郎さんに話を聞いた。
三四郎さんはさまざまな形があることを知ってもらうため、公演会では新作と古典、英語の3種類の落語を披露。インドネシアに来る前は、日本語と英語の落語が通じるか不安だったという。
「インドネシアの人の反応にびっくりした。あまりに笑ってくれるので、公演中に自分が笑ってしまうほどで、観客の人は楽しみ方も上手だなと思った。日本人は自分だけ笑うのが恥ずかしくて、周りが笑うと皆も笑うという雰囲気があるが、こちらは率先して思いっきり笑ってくれる。何より知りたいという欲求の強さを感じた」と振り返った。
落語は衣装や道具、音楽に頼ることが比較的少なく、扇子と手拭いのみを使用し、語りや身振り手振りで複数の登場人物を演じ分ける。三四郎さんはインドネシアの人でも理解しやすいよう、難しい日本語はかみ砕いて分かりやすい言葉に変えて話すよう工夫した。「落語は笑いだけでなく、恐怖や驚き、愛情、友情など人間の感情の機微を伝え、情景が浮かぶように表現することが大切。人の感情の起伏による笑いは世界共通だと思う」
再度インドネシアに足を運びたいという三四郎さん。「ジャカルタはおもしろい場所。いろんなものが雑多になっている街はなかなかなく、すっかり好きになった。今回はきれいで表面的な部分しか見られなかったから、もっとディープな部分も知りたい。インドネシアにしかない笑いもあるはず」と話した。(毛利春香、写真も)