モスク塗り替え美しく 関西ペイント現法CSR事業 5都市の10モスク対象
関西ペイントのインドネシア現法カンサイ・プラカルサ・コーティングス(KPC)が企業の社会的貢献(CSR)事業の一貫として進めていた中央ジャカルタ・メンテンにあるチュット・ムティア・モスクの内外壁の塗り替え工事がこのほど完了、塗り替えられたばかりの同モスクの内部が9日、報道関係者に披露された。
同日の式典で、小野善之社長は「ジャカルタで有数の歴史的モスクの保護と美化に貢献できたのは名誉」とあいさつ、モスク関係者から同社への感謝状が贈られた。
同モスクは1912年にオランダ人建築家らが建築会社の事務所として建設、その後60年代からモスクとして使われるようになった。オランダ植民地時代の雰囲気を残す建物として知られる。
式典に招待された著名なイスラム伝道師のリサ・ムハンマド師は「インドネシアと日本の相互利益につながるすばらしい事業だ。ラマダン(断食月)入りを前に、美しくなったモスクで礼拝でき信者は喜んでいる」と事業を評価した。
同モスクの内外壁の塗り替えは、KPCのCSR事業「モスクを塗ろう・インドネシア2015」の一つ。年内にジャカルタ、西ジャワ州ボゴール、同州バンドンなど5都市にある10のモスクの外壁や内部を日本製塗料で塗り替え、モスクの美観向上と保護に貢献しようとする試みだ。
チュット・ムティア・モスクでは、抗菌性の塗料で天蓋(がい)部分を除く内部の壁面を塗り替えるとともに、風雨にさらされて薄く汚れた外壁を白の建物用外壁塗料で塗り直した。工期は約10日間で100万円の費用がかかった。
他のモスクでも塗り替え作業が準備・進行中で、年内に全て事業を終える予定。10事業全体では1千万円を超える負担となる。
今後は対象となる建物をモスクだけでなく、キリスト教の教会や歴史的建造物にも拡げていく方針。「自社製品を活用しながら地道に地元への貢献を続けていく」(小野社長)考えだ。
チュット・ムティア・モスク以外の対象事業は▽バイトゥラフマン・モスク(ジャカルタ)▽アル・ギファリ・モスク(ボゴール)▽アル・ムスリムン・モスク(同)▽ラヤ・チパガンティ・モスク(バンドン)▽アル・イフサン・ダルル・ヒカム・モスク(同)▽シュハダ・モスク(ジョクジャカルタ)▽ヌール・モスク(同)▽ラウドホトル・ムシャワロ・モスク(東ジャワ州スラバヤ)▽カウマン・グドガン(同)(西川幸男、写真も)