日本ドラマの魅力を紹介 桐谷さん、古川さんがトークショー Jシリーズ・フェス イで初開催
日本のテレビ番組の海外発信を推進する「国際ドラマフェスティバルinTOKYO実行委員会」(井上弘委員長)は6日、中央ジャカルタ・プルマンホテル東側にある多目的ホール「アッパールーム」で、日本ドラマを紹介する「Jシリーズ・フェスティバル」を開いた。インドネシアで初めての開催。インターネットで募集をかけ約800人(主催者発表)が集まり、日本のドラマ紹介の上映会や、来イした女優の桐谷美玲さんと俳優の古川雄輝さんのトークショー、音楽ライブなどを楽しんだ。
会場ではまず、日本各局のテレビドラマ24作品のダイジェスト版を、日本の大学や大学院などに通うインドネシア人留学生たちのコメント映像を挟みながら紹介した。NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」やTBSの「半沢直樹」、「花より男子2」、フジテレビの「ガリレオ」などをそれぞれインドネシア語の字幕付きで流した。会場には若い女性が多く、俳優の岡田准一さんや堺雅人さん、小栗旬さんらがスクリーンに登場するたび、歓声が上がった。
桐谷さんと古川さんのトークショーが始まると、その歓声がひときわ大きくなった。インドネシアで歌手や通訳として活動する加藤ひろあきさんが進行役となり、2人が日本ドラマの魅力やドラマ撮影の裏側などを語った。
桐谷さんはジャカルタ訪問は初めてで、古川さんは2度目。2人はショーの冒頭、ミーゴレンやサテなどの料理が気に入っていると話した。
日本のドラマについて桐谷さんは「さまざまなドラマを見ていますが、恋愛ドラマが特に好きです。一緒にキュンキュンできるのがいいですね」と目を輝かせた。また「軍師官兵衛」では幽閉された黒田官兵衛に生きる希望を与える、「だし」役を演じた。自身初の大河ドラマ出演で、撮影当時は「着物を着てお芝居をするのでちょっとした所作や歩き方、言葉使いを事前に練習してから挑みましたが、難しかったですね」と振り返り、演技についての苦労話も赤裸々に語った。これから挑戦したい役柄については「私は今年26歳になるので、そろそろお母さん役やバリバリと働く女性などを演じてみたいです」と意欲を燃やした。
古川さんはフジテレビの「イタズラなKiss(イタキス)」で主演の入江直樹役を務めた。インドネシアでも、これまで放送されたことがあり、女性はもちろん日本好きの若者にファンが多い。ドラマの原作が漫画などの時は「実際に、漫画や小説の登場人物になりきりながら読み、役づくりをするように心がけています」と話した。7歳の時にカナダで、16歳の時にアメリカで過ごしたことから、英語が堪能な古川さん。「海外のドラマや舞台で活躍したいと思っています。ジャカルタでもお仕事をしてみたいです」との古川さんの言葉に会場のファンから拍手と声援が沸き起こった。
観客に向けて桐谷さんは「本当に日本には感動するドラマなどいろいろなジャンルがあるので、ぜひ楽しんで見てほしい」と呼びかけ、日本ドラマをアピールした。
他にも日本から5人組のアイドルグループ「Doll☆Elements」やテレビアニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマを担当した女性歌手VALSHEさん、インドネシアからはAKB48の姉妹グループでジャカルタを拠点に活動するJKT48の計3組が音楽ライブを実施。抽選で選ばれた観客が、出演者たちと記念撮影をするなど、興奮冷め止まないイベントとなった。
インドネシア初開催となったJシリーズ・フェスティバルは、日本民間放送連盟や民放各局、NHK、映画・映像制作会社、団体などで組織された国際ドラマフェスティバルinTOKYO実行委員会が、日本の放送コンテンツを海外で紹介するイベントで、これまでタイ・バンコクで2回開催している。
今回は、日本政府観光局(JNTO)や日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本レコード協会、インドネシア国内で放送されている日本番組専用チャンネル「ワクワク・ジャパン」がサポートした。(山本康行、写真も)
徹底調査でニーズつかむ
川西将文・ワクワクジャパン社長の話 今月から徹底的に視聴者へ向け調査を実施する。誰と見ていて、何が好みなのか、ニーズをつかんでいく。インドネシアでは分かりやすいストーリーや恋愛ものが人気。これから3、4本の番組も新たに放送する。日本のコンテンツを紹介するイベントと協力し、オールジャパンでコンテンツを広げていきたい。
コンテンツの可能性模索
重村一・副委員長の話 日本のコンテンツが受け入れられるか心配していたが、インドネシアの皆さんから良い反応をもらい、ほっとした。物語が単純な日本の80〜90年代ドラマがこの国でも受け入れられると思う。今後は日本の放送局の人間が、インドネシアの放送局に出入りし、日本のコンテンツを紹介することが大切だ。