東京五輪キャンプ地提案 イのバドチーム誘致に意欲 熊本県

 熊本県と日本政府観光局(JNTO)は1日、中央ジャカルタのインターコンチネンタル・ホテルで観光PRセミナーを開いた。また、蒲島郁夫知事はインドネシア・バドミントン協会のギタ・ウィルヤワン会長らに、2020年東京五輪での事前キャンプ地を熊本に誘致にしたいと提案、今後も意見交換していくことになった。                                                      
■イも前向きな回答
 蒲島知事はギタ会長に対し「熊本県はインドネシアのバドミントンと縁が深い。トレーニングジムや病院などもそろっており選手を迎える環境は整っています」と、東京五輪でのキャンプ地誘致を提案した。また、県バドミントン協会の坂本康尚会長は、ジュニア世代のバドミントン競技人口が、同県は約3千人で、日本で最も多い県の一つと説明。ロンドン五輪で銀メダルを獲得した垣岩令佳・藤井瑞希ペアが県出身であることを例に挙げ、バドミントンが盛んであることをアピールした。
 県は昨年から、インドネシア代表のキャンプ地誘致の構想を練ってきたという。
 県商工観光労働部の高口義幸部長は「インドネシアバドミントン協会に良い印象を与えることができた」と手応えを感じた。
 熊本県の男子バドミントンの実業団チームに、インドネシア人選手が所属したこともあった。ギタ会長は「以前から熊本とのつながりが深い。今後も引き続き、交流をしていきたい」と述べ、提案を前向きに検討する姿勢を見せた。

■観光セミナー開催
 蒲島知事は今年1月以来、2度目の来イ。観光セミナー冒頭のあいさつで、「熊本ではインドネシアの人気が高まっています。そして、インドネシアからの観光客も増え続けています」と話し、2007年に築城400年を迎えた熊本城の歴史や世界最大級のカルデラを持つ阿蘇山、イルカの群れに会える天草の周辺海域など、観光地の魅力を紹介した。
 さらに「水道の蛇口をひねるとミネラルウォーターが出るほど水質が豊かなため、農産物や水産物はとてもおいしいし、温泉も最高です」と旅行関係者に向け県の自然をアピールした。
 また知事によると、ゆるキャラ・くまモンの関連グッズの昨年の売り上げが614億円。県の営業部長も務めるくまモンについて「コラボレーションは無料なので、ぜひみなさんも起用してくださいね」と呼びかけた。
 セミナーでは、県の伝統工芸の肥後象嵌(ひごぞうがん)や山鹿灯籠も紹介した。また、くまモンが参加者を対象にしたラッキードローのプレゼンターを務め、会場を盛り上げた。
 熊本県観光連盟の向井康彦専務理事によると、インドネシア人観光客は一昨年で約700人、昨年は千人と毎年増加している。
 また、今回は商工会議所や観光業界、バドミントン協会、熊本大学などの関係者約100人が知事とともに来イし、日本貿易振興機構(ジェトロ)・ジャカルタによるインドネシアビジネス概況についてのセミナーを受けるなど、新たな交流を模索した。(山本康行、写真も)

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