苦しいと思ったことは一度もない 叙勲の万亀子さん感謝の夕食会
バリ島の旅行会社ラマツアーズの社長で、昨年日本政府から旭日双光章を受章した万亀子イスカンダールさん(72)は、自らが旅行業界に入ってから50周年になることを記念した「感謝の夕食会」をヌサドゥアのグランドニッコー・ホテルで開いた。マンク・パスティカ州知事夫妻をはじめ、在外公館、バリと日本の旅行業界、バリ日本人会、バリ日本語補習授業校の関係者など約150人が集まった。
先月31日に行われた夕食会では、長年親交のあるオランダ名誉領事のアル・プルワさんや在デンパサール野村昇総領事らのあいさつ後、万亀子さんが日頃から支援を行っている養護施設の子どもたちが合唱やバリ舞踊を披露した。日本人会会員や補習校の生徒らによる音楽やダンスもあった。
万亀子さんは日本の旅行社に勤務後の1978年、バリでわずか数人でラマツアーズを始めた。今では社員300人。バリを代表する旅行会社に育て上げ、日本人にバリ旅行ブームを広める立役者となった。
89年設立のバリ日本人会で会長を歴任し、翌年に開校したバリ日本語補習授業校の発展にも尽力した。日イ友好関係の促進にも力を注ぎ、こうした功績が評価されて06年の外務大臣賞に続いて叙勲に至った。
「これまで私を導き、支えてくれた人たちに感謝の意を伝えたかった。大勢の人に来てもらい本当にうれしい。この50年間はボロブドゥールの石を積み上げるように経験を一つ一つ積み上げる日々だったが、皆さんのおかげで苦しいと感じたことは一度もなかった」と万亀子さんは語った。(北井香織、写真も)