アジアの「マザー工場」に スズキ四輪工場稼働 年産能力25万台に
スズキの現地製造法人のスズキ・インドモービル・モーターは29日、西ジャワ州ブカシ県チカランのGIIC工業団地の四輪車組立工場の開所式を行った。出席した本社の鈴木修社長は「東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心として世界各国への輸出を考えている」と述べ、インドネシアを輸出拠点にする考えを強調した。
新工場の年産能力は10万台。ブカシ県タンブンの工場と合わせ、スズキの国内年産能力は25万台となった。新工場の敷地面積は130万平方メートルで建屋面積は110万平方メートル。まだ10万台分の拡張余地を残しており、市場動向を見て拡張する。
チカラン工場では、昨年からエンジンとトランスミッションの製造工場が稼働しており、今回、組立工場の稼働でエンジンやトランスミッション生産から車体組立までの一貫生産体制が整った。
新工場ではMPV(多目的車)のエルティガを5万台生産。2〜3年後には別の車種の生産も始める予定だ。エルティガはタイとブルネイに、エンジンやトランスミッションはタイとパキスタンに輸出している。
生産に占める輸出比率が現在13%であることについて、鈴木社長は「完成車だけでなくエンジンやトランスミッションなども積極的に輸出し、段階的に引き上げていく」と述べ、インドネシア政府が進める輸出振興に貢献する考えを示した。
またインドネシア工場をアジアの「マザープラント」と位置付け、アジア地域だけでなく中南米へも輸出していくと述べた。国内市場については「ASEANで一番成長するのがインドネシアということははっきりしている。大切にしないといけない国の一つだ」と話した。
開所式にはゴーベル商業相や谷崎泰明駐インドネシア大使が出席した。(堀之内健史、写真も)