自分の成長を求めて　波戸康広さん　（横浜Ｆ・マリノス、アンバサダー）

　「日本だけでなく海外でもサッカーを通じて触れ合う。オールラウンダーのような存在。サッカーの楽しさやクラブの認知向上に力を尽くしたい」
　２０１２年、クラブやサッカーの魅力をＰＲする横浜Ｆ・マリノスのアンバサダーに就任、４年目を迎えた。
　１９９５年にサッカーの名門・滝川第二高校から横浜フリューゲルスに入団、２００１年に、スペイン代表との試合で日本代表デビューした。１１年に所属していた横浜Ｆ・マリノスで現役引退。「この先、本来のプレーができないと思った。１番良い時期に、大好きなマリノスで引退しようと考えていた」
　プロ選手は現役引退後、コーチや監督などに就くことが少なくない。「幼いころからサッカー漬けの日々だった。すぐ指導者になってしまうと社会を知らない人間になってしまう。新しいことにチャレンジしたかった」。クラブの認知度向上のために営業活動やサッカー教室などの仕事に携わる。「いろんなことを勉強させてもらっている。やりがいがある仕事」と感じている。
　１４年１月にニッパツ三ツ沢球技場（横浜市）で開かれた引退試合。「１７年間、成功することにこだわらず、自分自身の成長を求めてやってきた」。仲間たちに伝えた言葉を胸に、活動を続ける。「経験を参考にしてほしい」。ジャカルタの子どもたちの未来に思いを込めた。（山本康行）