「実力伸ばす機会にして」 受験日は12月5日 早稲田渋谷シンガポール校
シンガポールにあるアジア地域で唯一の早稲田大学系属校「早稲田渋谷シンガポール校」は7日、バンテン州南タンゲランにあるジャカルタ日本人学校(JJS)で学校説明会を実施し、生徒や保護者ら約80人が参加した。同校の受験は12月5日にJJSで、来年2月6日に東京とシンガポールで実施する。
早稲田大学への推薦枠を約60確保していることに加え、他大学への受験や推薦が可能なことが系属校の特徴。同校では習熟度別の授業や少人数制のクラスを設置し、個々の実力を伸ばすことに力を入れている。
倉橋友住入試広報部長は、生徒の9割が指定校推薦を取っていると説明し、日頃の授業を大切にしてほしいと強調。寮生は平日午後8時半〜同10時ごろまで学校で自習することが決まっているなど、勉強に重点を置いている。
また図書室の蔵書は3万冊を超え、雑誌は毎週日本から送られてくる。食堂のメニューは日本人調理師が管理するなど、設備も充実している。
一方同校では現地校との交流活動も盛ん。現地校に数日間留学したり、部活動の試合も現地のインター校と対戦したりする。「毎試合ワールドカップです」と倉橋先生が説明すると、会場から笑いが起きた。
今年の卒業生は、東京六大学と関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の関関同立への進学で9割を超えた 。来年度の早稲田大の指定校推薦枠は65で過去最多となった。
入学は出願時に親が海外で就労していることが条件。倉橋先生によると、入学試験は併願入試でも185点(3教科各100点満点)がボーダー。「偏差値でいうとだいたい60くらい。決して簡単ではない」
同校は高い進学率と充実したカリキュラムで各国から入学希望者が集まるが、円安などの影響で、受験者数が減少傾向にある。300人以上いた受験者数も250人ほどになっているという。倉橋先生は「授業料が高いのは事実。でも勉強に最も力を入れる学校に入って、自分の実力を伸ばす機会になるのは間違いない」と訴えた。
参加した保護者らからは「魅力的な学校だけど授業料が高いのが気になる」という声が上がった。中学3年生の生徒らは「学校もきれいで行きたくなった。寮生活も楽しそう」と話した。
同校の説明会は9月にもJJSで実施する予定。(西村百合恵、写真も)