16日から酒類規制始まる コンビニなど7万店舗で
政府は16日から未成年者の飲酒を防ぐため、ミニマーケット(コンビニ)など約7万店の小規模店舗でアルコール飲料の販売を禁止する規制を始めた。ただし観光地などでは規制の例外を認める意向を示している。
インドネシア国内に9店舗を構える日本食スーパー「パパイヤ」は南ジャカルタ・ブミマス店、ガンダリアのエクスプレス店、西ジャワ州ブカシ県のAXIAサウスチカラン店の3店舗と、東ジャワ州スラバヤの2店舗の計5店舗でアルコールの店頭販売を取りやめた。バリ島の店舗は禁止条件を上回る400平方メートル以上の売り場面積があるため、従来通り販売を継続。バンドン店は市条例で1年以上前からアルコール飲料を販売していない。パパイヤ担当者は売り上げ減少につながることを懸念している。
邦人の生活にも影響している。住んでいるアパートメント1階のコンビニでアルコール飲料を購入できなくなり、「今後はスーパーマーケットまで足を運ばなければ」と困惑の声も。また、レストランの中には店頭で販売する店もあるという。
ジャカルタ特別州のアホック知事は16日、販売禁止措置に賛意を示した一方で、「未成年が購入できないような、アルコール専門の店舗の仕組みを作るべき」と述べた。
同州ジャロット副知事はホテルやスーパーマーケットでの販売は続くので、観光客が減ることはないと強調。バリなど観光地は反対の声が大きく政府は規制緩和の意向だ。
酒類規制は商業大臣令(2015年第6号)により、16日から小規模店舗のアルコールの流通と販売を規制。ゴーベル商業相は未成年の集まるコンビニで酒類の規制を強化し、若者の飲酒を防ぐことが目的と説明している。また、同相は17日、インターネットによる販売も同規制の対象になるとし、禁止を検討していると明かした。
調査会社ニールセンの消費者動向調査によると、2014年に、20歳以上のインドネシア人のアルコール飲料の消費人口は2.2%だった。(佐藤拓也)