経団連、投資拡大に意欲 大統領と会談 規制緩和を要請 2週間で2回目
日本経済団体連合会(経団連)の使節団(団長・榊原定征会長=東レ会長)は8日午後、中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)でジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と会談した。経団連を代表する大手企業18社の代表がインドネシアへの投資拡大に向けて、具体的な課題を伝えた。
約40分間の会談では、榊原会長のあいさつの後、経団連の代表6人が製造や建設、電力、石油ガス、保険などの分野で抱える課題を述べた。
具体的には、ジャカルタ首都圏のインフラ整備が今後の成長に重要と指摘し、政府主導で整備を加速させてほしいと呼びかけた。また、製造業の事業拡大のために必要な港湾や道路などの整備を要請。電力では、材料の現地調達などの規制で、最先端技術を用いて事業を進めることができない事情を説明し、改善を求めた。建設業や保険業では、外資規制や出資比率の緩和を求めた。
また、具体的な投資案件については、南スラウェシ州にあるマカッサルの空港を、国内外の空港の乗り継ぎ拠点となる「ハブ空港」として拡張することを提案した。
経団連によると、ジョコウィ大統領はそれぞれの課題に対し、各担当大臣に伝えるなど前向きな姿勢を示したという。また、インフラ整備については、民間企業の積極的な参入を呼びかけた。
会談では、マカッサルの空港拡張以外で、具体的な案件名は出なかった。
榊原会長は会談後に行なわれた記者会見で「インドネシアへの直接投資額で、今年は日本が首位を奪還したい」と投資拡大に意欲を見せた。
また、経団連は8日午前にユスフ・カラ副大統領と会談した。9日、各閣僚と会談後、帰国する。
大統領との会談の出席者は次の通り。榊原定征東レ会長・岩沙弘道三井不動産会長・小島順彦三菱商事会長・畔柳信雄三菱東京UFJ銀行特別顧問・勝俣宣夫丸紅相談役・大塚陸毅東日本旅客鉄道相談役・斎藤勝利第一生命保険会長・大宮英明三菱重工業会長・荻田伍アサヒグループホールディングス相談役・石原邦夫東京海上日動火災保険相談役・友野宏新日鐵住金取締役相談役・内山田竹志トヨタ自動車会長・佐々木則夫東芝副会長・木村康JXホールディングス会長・古賀信行野村證券会長・伊東信一郎ANAホールディングス会長・大八木成男帝人会長・久保田政一経団連事務総長。(佐藤拓也、写真も)