海外初展開で熱狂の渦　ヴァンプスやスカパラら出演　音楽イベント「ジャパンナイト」

　音楽イベント「ＪＡＰＡＮ　ＮＩＧＨＴ（ジャパンナイト）」が４日午後、南ジャカルタのショッピングモール「コタ・カサブランカ」で開かれた。海外公演は初めて。ロック好きの若者に絶大な人気を誇るハイドさんはＶＡＭＰＳ（ヴァンプス）として約１年半ぶりに来イ。日本から計３組のアーティストが出演し、最新の日本音楽の魅力を伝えた。

　東京スカパラダイスオーケストラ（スカパラ）、Ａｌｅｘａｎｄｒｏｓ（アレキサンドロス）、ヴァンプスの順に出演。最初に登場したスカパラは「ルパン三世のテーマ」など、観客が歌って踊れる全１０曲を披露した。
　アレキサンドロスは、ボーカル兼ギターの川上洋平さんとベース兼コーラスの磯部寛之さんらで構成する４人組ロックバンド。代表曲「Ｆｏｒ　Ｆｒｅｅｄｏｍ」などを披露し、英語のＭＣを挟みながら計８曲を歌い上げた。
　トリを飾ったのはヴァンプス。インドネシアでも熱狂的ファンの多いハイドさんが登場すると、ひときわ大きな歓声が響いた。１曲目は２０１４年に発表した「ＺＥＲＯ」。バラードの「ＶＡＭＰＩＲＥＳ　ＬＯＶＥ」など計１２曲を熱唱した。

■観客の反応に手応え
　スカパラは昨年１０月、約２０年ぶりに来イ。ジャカルタで開かれた音楽イベント「サウンズフェア・ミュージック・アンド・アートフェスティバル」に参加した。今回、海外初のジャパンナイトに出演したことについて、バリトンサックスの谷中敦さんは「日本の他のアーティストがこのイベントに参加できるよう、流れを作りたい」と意気込みを語った。
　米英、台湾などでライブを展開してきたアレキサンドロスの川上さんは「最初はどんなバンドなんだろうと思われていたが、曲が続くと乗っているのが分かった。短い時間だったが、隔たりがなくなった感じがした」と手応えをつかんだ。


　２０１３年の単独公演に続く来イとなったヴァンプスのギター、Ｋ．Ａ．Ｚ（カズ）さんはステージ上から観客を見渡し、「純粋に楽しんでいる姿が良い。ノリもバラバラだったが自然な感じがインドネシアの良いところ」。ハイドさんは「ジャパンナイトに呼んでもらえて光栄。このようなイベントが増え、毎回呼ばれるくらいのアーティストになりたい」と話した。

■記念すべき第１歩
　ジャパンナイトは昨年５月、東京・代々木の取り壊しが決まった国立競技場の最後のイベントとして初開催。Ｍｒ．Ｃｈｉｌｄｒｅｎ（ミスターチルドレン）のボーカル桜井和寿さんやハイドさんが在籍するラルク・アン・シエル、Ｐｅｒｆｕｍｅ（パフューム）ら日本のトップアーティストが参加し、注目を集めた。
　昨年１０月、世界の音楽関係者が集まるイベント「第１１回東京国際ミュージックマーケット」で、ジャパンナイトの第２弾を東京で開催。ヴァンプスやアレキサンドロス、サカナクションらが出演、シンガポールとジャカルタのプロモーターの目にとまり、海外展開の初舞台としてジャカルタ開催が決まった。
　ジャパンナイト実行委員会の熊部太郎さんは「昨年東京で、日本の音楽を世界に伝える目的で始まったジャパンナイト。海外初となるジャカルタで、記念すべき第一歩となった。関係者の皆さんに感謝したい」と述べた。
　今後は５月に台北で、７月にはロンドンで開催を予定している。（山本康行、写真も）