過去に社内不正56% 教育など対応追いつかず デロイト日系企業調査
インドネシアで社内管理について企業の相談を受けているコンサル会社デロイト・コンサルタン・インドネシアが、インドネシアの日系企業向けに開いたセミナーの参加者80人に対して実施したアンケートで、56%が過去に社内不正があったと回答した。多くの日系企業で、不正の定義や啓もう教育など、対応ができていない現状が明らかになった。
過去に社内で不正があったかどうかとの質問に10%が「ある(決算修正が必要なレベル)」、46%が「ある(決算数値に影響なし)」と回答。「ない」が13%、「分からない」が31%だった。
56%が「ある」と答えたことについて、デロイトの長尾氏は「正確な統計はないが、日本では10%以下という印象」と述べた。10%あった決算修正が必要な不正も「日本ではほとんどない」という。
インドネシアの日系企業で不正が多い理由の一つとして長尾氏は、企業の内部統制について定めた法律がないことを挙げた。
アンケートでは不正に対する印象について85%が「あってはならない」、15%が「やむをえない」と答えた一方で、「不正の定義をしている」と答えたのは31%、「全従業員に対不正の啓もう教育を行っている」と答えたのは34%にとどまった。
長尾氏はインドネシアの日系企業について「日本の本社からは重要な拠点と認識されている一方で、急激な会社の成長を支えるガバナンス体制が追いついていない」と指摘。「社内で問題と考える事実や事象を全員で認識する必要がある」と話している。
セミナーは3月にデロイトが中央ジャカルタのジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の会議室で開き、日系企業幹部などが出席した。