酒類の販売禁止へ コンビニなど 来月16日から
政府は来月16日から、国内のミニマーケット(コンビニ)などでアルコール飲料の販売を禁止する。今年1月、ラフマッド・ゴーベル商業相が商業大臣令(2015年第6号)に署名。署名後3カ月間を移行期間としたが、実施まであと3週間を切った。全国各地のコンビニはアルコールの販売を順次、打ち切っているが、バリ州は除外するように政府に求めている。
大臣令によりアルコール類の販売禁止対象となったのはコンビニやキオス(売店)、ワルン(屋台)。コンビニは大統領令によって、売り場面積が400平方メートル未満の店舗と規定されており、国内に約2万3千店舗ある。大臣令では、それより小さな店も含めて、度数5%以下のアルコール飲料全品の販売を禁止する。
ただし、400平方メートル〜5千平方メートル以内と定義されているスーパーマーケットをはじめ、レストランやホテル、カフェなどは対象外。
ゴーベル商業相によると、大臣令は飲酒の危険から未成年者ら若年層を守ることが目的。国民の大半はムスリムが占めるインドネシア。ムスリムはイスラムの教えに基づき、飲酒が禁じられている。
商業省は、近年、若年層による飲酒が増加傾向にあることを指摘し、モスクや学校周辺にもコンビニがあり、ムスリムや未成年者にとってアルコール飲料が手の届きやすい環境にあることを問題視した。
ジャカルタ特別州内のコンビニでも来月16日の販売禁止に向け、アルコール類を置かなくなる店舗が増えている。中央ジャカルタ・クボンカチャンのワヒッド・ハシム通りにあるコンビニ、サークルKでは30日午後、ビンタンビールなどのアルコール飲料の販売を続けていたが、店員のアンディさん(18)は、在庫がなくなり次第、販売を打ち切るという。
一方、バリ州政府は28日、同州を大臣令の対象から外すよう政府に求めたことを明らかにした。アルコール飲料を購入する外国人観光客が多く、コンビニやワルンなどでビールの売れ行きが良いという。州は販売禁止になると、観光客が減る可能性があると懸念している。
■パパイヤ3店 販売停止
日本食スーパー「パパイヤ」も売り場面積の関係でアルコール販売禁止の対象となる。
対象は3店舗で▽南ジャカルタ・ブミマス店▽南ジャカルタ・ガンダリアのワンパークレジデンス内にあるエクスプレス店▽西ジャワ州ブカシ県チカランのAXIAサウスチカラン店。
チカランの店舗では周辺の工業団地に勤める男性が多く訪れ、酒類を豊富に販売していた。
南ジャカルタ・ブロックM店では酒類の販売を飲料水コーナーから離す必要があり、対応に追われている。担当者は「売り上げが減ることも考えられる。利用客にとって不便になるのは残念」と話した。