経済成長の3倍の伸び 国内インターネット産業 デロイトが調査結果発表 2016年にGDPの2.5%に ワルネットから携帯端末へ

 国際コンサルティング会社デロイト系のデロイト・アクセス・エコノミクスはこのほど、インドネシア経済におけるインターネット産業の影響と今後の展望について調査した報告書「The Connected Archipelago」を発表した。報告書では、インターネット産業が今後五年で経済成長の三倍のスピードで成長し、GDP(国内総生産)に占める割合は今年の一・六%(約百十六兆ルピア)から二〇一六年には少なくとも二・五%(約三百二十四兆ルピア)に増加すると予測。安価なスマートフォンとパソコンの普及、通信インフラの整備に加え、爆発的なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)人気を背景に、今後も急速に産業が拡大していくとの見通しを示した。

 調査では、インターネットに関連する商品やサービスにおける支出やコスト、企業や個人がインターネットに関連する商品から得る利益から影響を想定し、インターネット産業として定義付けた。
 インターネット産業がGDP比で一・六%を占めていることについて、一・四%の液化天然ガス(LNG)輸出を上回っているほか、〇・五%の電力の三倍の規模と説明。他国のネット産業と比較すると、ブラジル(一・五%)、ロシア(一・六%)と同水準だが、中国(二・六%)、インド(三・二%)、香港(五・九%)などを下回ると指摘した。
 報告書では、インドネシアで一九九〇年代半ば以降初めて携帯電話が登場し、音声通話とSMSが一部の市民で利用され始め、二〇〇六年のモバイルブロードバンドとフェイスブックの登場がインターネット人口増加の大きな要因になったとの見解を表明。
 国際電気通信連合(ITU)によると、昨年時点で二億二千万人の携帯電話利用者がおり、インターネット普及率は九%だったとした上で、「ほかの調査団体の結果からも想定以上の伸びが考えられる」と予測した。
 これまでは、ワルネット(インターネットカフェ)が市民のインターネット通信における基本手段だったが、都市部では、多機能端末や携帯電話に置き換わっていると分析。ネット利用者のうち、携帯電話を使用してネットに接続している人の比率は四八%で、三六%のタイ、二一%のマレーシアなど周辺諸国を大きく上回ると説明した。
 情報通信省によると、インターネット利用者は、今年半ばまでに四千五百万人に達した。二〇〇八年に比べ、インターネット利用者は二倍近くとなっており、通信会社の競争激化とサービスの低価格化が普及に寄与したとも分析した。利用者の七〇%近くは三十四歳以下という。
 また、四千万人を超える世界第二位のフェイスブックの利用者数や世界三位のツイッターのアカウント数を誇ることから、大部分のインターネット利用者がSNSの利用を目的にしており、スマートフォンの普及は今後、一層進むと分析した。
 一方で、所得層によってインターネット普及が大きく変わるのも特徴と指摘。スマートフォンだけではなく、コンピュータの普及や有線インターネット接続の低価格化、地方における通信インフラ整備が進めば、個人ユーザーだけでなく、中小企業がビジネスで利用する機会も多くなり、増加傾向はさらに顕著になるとの見解を示した。

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