ゲームの魅力アピール 日イ企業が商談会 アプリ市場拡大見込む
「このゲームは自信を持って紹介できる」。中央ジャカルタのインターコンチネンタル・ホテルで19日開催された「ゲーム・ネットワーキング・ジャカルタ」(日経BP主催)で、インドネシアのゲーム開発企業(デベロッパー)が日系企業にスマートフォン(スマホ)向けゲームをアピールした。スマホの普及で、アプリ市場の伸びが期待されるインドネシア。日イ企業はそれぞれの期待を胸にお互いの要望に耳を傾けた。
会場には約250人の日イゲーム企業関係者が集まり、商談会を実施した。
インドネシアの参加者はパソコンで自身が開発したゲームアプリを紹介し、自らの商品価値をアピールした。自動車を運転するゲームアプリを開発したディオリさんは「グローバルにこのゲームを展開していきたい。日本の企業と人脈を広げに来た」と語る。来月からオーストラリアで同ゲームアプリを展開していくという。
インドネシアゲーム協会(AGI)のアンディ・スリヤント会長は「10年ほど前からPCゲームが流行し始め、利用者は2千万人ほどの規模がある。後発のスマートフォン向けゲームアプリはPC利用者より、はるかに多い」と語る。
しかし、インドネシア人が独自で開発するゲームの普及率は低く、海外企業発のゲームが多いという。その背景には、「ゲーム関連企業は設立から日が浅く、銀行からの融資を受けにくい。開発資金の調達が難しい」と指摘する。
アジアを中心にゲーム関連の市場調査をするニッコー・パートナーズによると、2014年の東南アジアのゲーム市場の売り上げ規模は9億ドルだった。17年には12億ドルまで達すると見込む。
アンディ会長によると、インドネシアはインターネット環境や決済システムが未成熟なため、国内ゲーム市場の発展を阻害しているという。「早期に解決することが市場の拡大につながる」と意気込む。
日系ゲーム会社にとって、「まだインドネシアで実績を持つ会社はそれほどないため、(パートナーとしての)判断基準が難しい」という。一部の日系企業は「開発の一部を委託するなど、コントロールできる部分から、徐々に関係構築を目指す」という。
商談会を終えた日系企業幹部は「CEO(最高経営責任者)の年齢が23、24歳という会社が多く、市場自体が非常に若い。(インドネシアの)デベロッパーと話してみて、想像していた以上にレベルが高かった。今後の成長に期待感が高まった」と述べた。(佐藤拓也、写真も)