特撮ヒーロー「ビマX」上陸 大阪アジアン映画祭で上映 専門誌のイベントも

 日イ合作の特撮ヒーロー「ガルーダの戦士ビマX」が日本に上陸した。アジア各国の最新話題作を紹介する第10回大阪アジアン映画祭(6〜15日)の特別企画「ニューアクション! サウスイースト」で特別上映されたほか、特撮専門誌によるプレイベントでも紹介され、特撮ファンなどの注目を集めた。   

 映画祭では10、12両日、特別編と第2シーズン第2話を編集したものが、映画館「シネ・ヌーヴォ」(大阪市西区)で全編日本語字幕付きで上映された。SF映画などを紹介してきた夢人塔の浅尾典彦さんと、特撮専門誌「特撮ゼロ(アオ・パブリッシング)」の高瀬俊一代表取締役が中心となり実現した。
 ビマを手掛けたおかひでき監督と20年来の友人である浅尾さんが、雑誌でビマを取り上げるため来イ。プロデューサーのレイノ・バラックさん、伊藤忠商事の後藤雅行さんらに取材した。
 「いつか日本で見せたい」。制作スタッフの思いはあったが、日本でのテレビ放映は未定。そこで映画配給の可能性を模索し、大阪アジアン映画祭事務局に打診したところ、「テレビ特撮上映の前例はない」「でもやれればきっと面白い」と感触をつかんだ。おか監督が大阪芸術大学出身で「ビマの日本デビューは大阪で」という希望もあり、特別編集版を用意するなどして出品にこぎ着けたという。
 インドネシア映画に詳しい桃山学院大学の小池誠教授は鑑賞後、「特撮技術やアクションは、石森プロなどの日本人スタッフによって日本的水準で制作されているが、インドネシア的要素も十分に織り込まれている」と指摘。主人公ビマにワヤン(影絵芝居)の英雄、怪人にコモド・ドラゴンの名前が使われるなど、現地の視聴者がストーリーに入りやすくなるよう工夫されていると感想を語った。

■対談で魅力を紹介
 8日には淀川区にある淀川文化創造館・シアターセブンでプレイベント「これが『ビマX』だ!!」を開催。映画祭とは異なる「ガルーダの戦士ビマ」20話と第2シーズン第1話を上映した。
 昨年京都大学東南アジア研究所のイベントで、日本で初めてビマを紹介した同大の坂川直也さんと浅尾さんが「ガルーダの戦士ビマXの魅力」をテーマに対談した。浅尾さんが「特撮ゼロ」の特集で撮影現場を取材した時のエピソード、バンダイによる玩具販売などを紹介。プロデューサーのレイノさんのあいさつなどの映像も上映した。
 浅尾さんは「物語には正義感や家族愛が込められており、子どもへの倫理観の教育になっている。おか監督をはじめ、スタッフたちが必死になって作った作品。今後もシリーズが続いていってほしい」と期待を込めた。(山本康行)

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly