「この学校は大きな家族」 10人のスラバヤっ子旅立つ SJS卒業式
スラバヤ日本人学校(SJS、岩渕初生校長)は14日、卒業式と修了式を開いた。小学部から池乗音花さん、尾崎カレンさん、西尾拓樹さん、長谷川実愛さん、中学部から小出大二郎さん、後藤あゆみさん、坪井悠歩さん、新田知世さん、畑中翼さん、三浦彩花さんの計10人が卒業した。
西章夫学校維持会長や野村昇在スラバヤ総領事らも出席。バティックやはかま、スーツ姿の卒業生を教員や保護者らが温かく見守り、祝った。
卒業生は岩渕校長から証書を受け取り、将来の夢を発表。イラストレーターやパティシエ、「世界を舞台に活躍したい」「良い会社をつくって誰かの役に立ちたい」など、それぞれの抱負を宣言すると、会場から大きな拍手が送られた。
岩渕校長は時おり目に涙を浮かべながら、卒業生一人一人との思い出を振り返り「スラバヤで友情を育み、人を思いやる優しい心を身につけてくれました。体に気を付け、命を大切に、それぞれの道を精一杯進んでください」と語った。
小学部は声をあわせて言う「お別れのことば」で、卒業生へ感謝の気持ちを伝えた。卒業生らは谷川俊太郎の詩「みち」を披露し、「SJSで一緒に学び、語り、励ましあいながら同じ道を進んできました。これから中学という新しい道を真っ直ぐ進みます。これからも見ていてください」と応えた。
2年の長谷川彩羽さんは中学部を代表し「頼もしく楽しい先輩がいなくなるとさみしく、不安もあります。これからはみんなで協力し、楽しい学校にしていきたいです。SJSを見守っていてください」と送辞を述べ、卒業生代表の中学部3年、畑中翼さんが「学年の壁を越えた付き合いがあるこの学校は、大きな家族です。この絆が切れないよう守り抜いていきましょう」と在校生へエールを送った。
幼稚園から12年間、同校に通った小出大二郎さんの父、真さんは「長い間この学校でお世話になり、今日はとても感慨深かった。日本とスラバヤ、どちらの高校に進学するか息子と相談し、スラバヤ市内の高校に通うと決めた息子の意思を尊重した。これからも目標に向かって頑張ってほしい」と息子の成長を祝った。
同日、離任式も開いた。岩渕校長、教員の三好千恵さんと合田暁良さんが帰国する。さみしさから涙をタオルや腕でぬぐう子どもの姿もあった。生徒らは手紙と花束を渡し、感謝の気持ちを精一杯伝えた。
最後は校舎の入り口に集まり、在校生や保護者、教員らがアーチをつくった。卒業生らは別れを惜しみながら、笑顔で中をくぐり、巣立っていった。(毛利春香、写真も)