パンク頭を丸刈り 宗教警察「シャリア法違反」 NGO「表現の自由侵害だ」 アチェ
インドネシア国内でもイスラム教に対する信仰があつい地域とされるアチェ州バンダアチェで行われたパンクコンサートでこのほど、宗教警察がシャリア(イスラム法)に反するとして、六十五人の若者を補導し、モヒカンなどの奇抜な頭髪を丸刈りにし、騒ぎとなっている。
同州政府は若者らを更正させるために十日間、国家警察学校に送還したが、十七日に二人の脱走者が発生。しかし、十八日までに再び捕まった。バンダアチェ市警察のアルメンシャ本部長によると、「親が恋しくなって脱走した」と供述しているという。
スマトラ島北部に位置するアチェ州は国内で唯一、シャリアを導入しており、保守的なムスリムが多いことで知られる。
今回の事件について人権保護を訴える国際非政府組織(NGO)「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のコイルル・アナム氏は「表現の自由を侵害している」として、宗教警察の行為を批判している。
バンダアチェでは今年二月にもパンクロック少年のモヒカン刈りが「イスラムの教義に合わず治安を乱す」として、バリカンで髪を強制的に剃り上げる作戦が行われている。