動物園の半数 基準満たさず Aランク、4カ所のみ 環境林業省
環境林業省はこのほど、国内の動物園や野生生物保護公園など58カ所を調査し、動物の管理方法や施設の質などの項目をA〜Cで評価したところ、半数の29カ所について運営を認められる状況ではないと判断した。最高のAランクは4カ所のみだった。
調査は動物を管理している全施設を対象に、5年ごとに実施している。獣医師や専門家が▽動物の死亡率▽動物の健康状態▽施設設備―などの各項目を調べ、A良好、B少し良い、C悪いと評価した。
その結果、ごみが多く動物の飼育に適さない環境だったり、園内のトイレなどの設備が不十分などの理由で、C評価にも届かない評価外が29カ所に達した。
環境林業省生物多様性保全局(KKH)のバンバン・ダホノ・アジ局長は、C評価を受けた動物園に対しても、経営権はく奪が可能だとし、評価外の29カ所には早急な改善を求めた。経営権について局長は、2016年までに改善が見られるかどうかで判断する、としており、全園が運営を継続できるように、資金面、人材教育面で支援する方針があると明らかにしている。
Aランクを得た4カ所は、西ジャワ州チサルアのタマンサファリ、東ジャワ州パスルアンのタマンサファリ、バリ州ギアニャールのバリ動物園、ジャカルタ特別州北ジャカルタのシーワールド。
KKHは、19年までに絶滅危惧種に指定されている25種の個体数を各10%増やす目標も掲げている。
特に、東南アジアに生息する野牛の一種、ジャワギュウの個体数の減少が激しい。1992年〜00年にかけて野生のジャワギュウは200〜300頭生息しているとされていたが、07〜12年で確認されたのは22頭だった。KKHは個体数増加を目指して、西ジャワ州のタマンサファリでジャワギュウの繁殖を試みている。
また、環境林業省は動物の生息環境を守るため、年間10万ヘクタールに植林して、森林保全活動にも取り組んでいる。(西村百合恵)