統一首長選、審議大詰め 実施時期が争点に 国会


 20日に国会本会議で特別政令が承認され、直接選挙の復活が決まった地方首長選挙法をめぐり、国会第2委員会(内政、法律)が来週にも同法の修正審議に入る見通しとなった。政府は今年9月にも統一地方首長選を実施する方針だが、議会からは準備期間が十分でないことなどを理由に時期を遅らせるべきだとの意見が出ている。修正審議では統一選の実施時期が焦点になりそうだ。          

 第2委員会のルクマン・エディ副委員長(民族覚醒党=PKB)は5日、「3回の意見調整を経て委員会が修正法案を本会議に提出することで合意した」と語った。同委ではこれまでにも「統一選の実施を来年2月に遅らせれば政府も総選挙委員会(KPU)も十分な準備ができる」(アフマド・リザ・パトゥリア副委員長=グリンドラ党)などの意見が出ていた。
 チャフヨ内相は「大統領は今年9月に統一地方首長選を実施することを望んでいる」と語り、全国204の州県市で予定されている首長選を9月に実施する政府方針を示していた。内相は次回の総選挙と大統領選挙がある2019年を避けるため、首長選を早期に実施する重要性を強調した。
 一方、KPUのハダル・ナフィス・グマイ委員は地元メディアに対し「5月までに実施すれば決選投票にもつれた場合でも当選者の就任まで年内に終えることができる」と説明。来年2月案については「(立候補者登録などの)準備と投開票日が年をまたぐことになり、予算申請が難しくなる」と難色を示した。
 地方首長選法をめぐっては昨年9月、グリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首率いる野党連合が大統領選での敗北を巻き返そうと、首長を地方議会が選ぶ間接選挙を導入する改正法案を国会に提出。野党連合は地方議会の多くでも多数派を形成しており、地方から中央政府に圧力をかける狙いがあった。
 法案成否の鍵を握っていた民主党は当初、直接選挙の堅持を掲げていたが、独自改正案が却下されたことを不服として同党議員が審議中に議場を退席したため、賛成多数で地方首長選への間接選挙導入が決まった。
 これに対し「民主化が後退した」などと批判が高まり、ユドヨノ大統領(当時)は改正法案可決後、直接選挙を維持するため特別政令を発布。特別政令は20日の国会本会議で承認され、地方首長選の直接選挙復活が決まった。(田村隼哉)

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