チラマヤ港「水面下の調整」 「民間資金を活用」 運輸相は計画前向き

 日本政府が協力して進めてきた西ジャワ州チラマヤ港事業計画をめぐり、ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)政権内で水面下での「調整」が行われている。ジャワ島以外のインフラ整備に注力しており、同港開発に後ろ向きな見方が出ているが、管轄のイグナシウス・ジョナン運輸相は民間資金での建設を前提に前向きな姿勢を示している。                       

 チラマヤ港事業は日本政府との経済協力の目玉である首都圏投資促進特別地域(MPA)プロジェクトの中でも最重要事業に位置付けられている。
 ジョナン運輸相は4日、地元メディアにチラマヤ港事業について政府の資金は使わずに民間資金を活用すると述べた。日本政府関係者によると、インドネシア政府側は日本が協力する案件には民間資金を活用する考えを伝えているが、個別の案件については聞いていないという。政府側はジャワ島外のインフラ整備を優先する方針を示している。
 国際協力機構(JICA)によると、事業の実現可能性を調査する事業化調査(FS)を完了し、インドネシア政府に調査内容を報告し、今後の進め方について議論している段階。
 ジョナン運輸相は民間資金を活用しての新港建設には積極的だ。同相は3日「民間からの資金があれば、チラマヤ港事業を推進する」と発言している。
 4日付経済紙コンタンはジョナン運輸相が1月16日にジョコウィ大統領に同港事業を中期開発計画に組み込むよう提案する内容が書かれた文書のコピーを入手したと報じた。推進すべき理由として文書には(1)タンジュンプリオク港沖に建設中の新ターミナル(2017年完成予定)が完成しても長中期的にコンテナ取扱量需要は能力を超える(2)チラマヤ港建設予定地付近は工業団地が集積しており、物流費用が下がる(3)工業団地からタンジュンプリオク港への交通の流れが、チラマヤ港に向かい、ジャカルタの渋滞が軽減される―を挙げた。 
 首都圏港湾能力強化のもう一つの事業であるタンジュンプリオク港沖の新コンテナターミナルは、国営港湾第2ペリンドと三井物産、日本郵船、シンガポールのPSAインターナショナルが共同で設立した事業会社ニュープリオク・コンテナ・ターミナルワン(NPCT1)が建設・運営する。三井造船がコンテナ用岸壁クレーンを納入することが決まっている。(堀之内健史) 

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