日商、政府と課題共有 大統領、解決に意欲 日系の製造業に期待

 来イ中の日本商工会議所(日商)の代表は2日午前、ジョコ・ウィドド大統領(通称ジョコウィ)を中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で表敬訪問した。ジョコウィ大統領が海外の経済団体と会談するのは初めて。インドネシア側は各閣僚も出席、ASEAN経済共同体の発足を控え、日商側に対し、輸出を伸ばすため製造業の更なる投資に期待した。              

大統領との会談にはラフマット・ゴーベル商業相やサレ・フシン工業相、ソフヤン・ジャリル経済調整相、インドネシア商工会議所(カディン)幹部らが同席。ジョコウィ大統領が日系企業の抱える課題を共有したいとの希望から、30分の予定を大幅に超え約1時間の会談となった。
 三村明夫(新日鉄住金相談役名誉会長)会頭は冒頭で「日系企業がどのように貢献できるかを確認するために来イした」と訪問の意義を述べ、「ASEAN経済共同体発足を控え、インドネシアに期待している。輸出拠点として、日系企業が重視する人材の育成に貢献できる」と提案した。
 ジョコウィ大統領は使節団に「日系企業が現場で抱えている課題を具体的に教えてほしい」と要請し、各使節団は土地収用や大規模な資金調達、渋滞による物流の遅延など、具体的な案件を踏まえてジョコウィ大統領に進言した。大統領は「今後も問題があれば、直接言ってほしい」と課題解決に前向きな姿勢を示した。
 インドネシア商工会議所(カディン)は日系企業と連携を強化したい業種について「輸出を伸ばすために、製造業に投資をしてもらいたい」と強調。閣僚からも輸出を伸ばす企業の投資を歓迎するといった声が多く、輸出産業の強化を目指す要望が目立った。
 今後も友好な関係を築くことで合意し、三村会頭は「可能であれば、できるだけ早く日本に来てほしい」と大統領の来日を要請した。
 同日、日商使節団はカディンや経営者協会(アピンド)らインドネシア経済界とインフラ整備と労働・人材育成について対話を行なった。
 日商はほぼ毎年、会頭を代表に海外に大型使節団を派遣している。大型使節団が来イするのは2002年以来約13年ぶり。三村会頭が海外を視察するのは初めて。(佐藤拓也、7面に関連)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly