「経済・安保で戦略的パートナー」　ゴーベル商業相、安倍首相と会談　　親日家の訪日を歓迎

　ジョコ・ウィドド（通称ジョコウィ）大統領の特命大使として訪日中のゴーベル商業相は、２２日午前に首相官邸に安倍晋三首相を表敬訪問し、約１５分間会談した。会談で両者は、戦略的パートナーとして二国間関係を強化していくことを確認した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　安倍首相は会談の冒頭で、親日家であるゴーベル商業相の訪日を歓迎するとともに、昨年末に起きたエアアジア機墜落へのお見舞い、中東での邦人拘束事件についてインドネシアが強く非難する旨を表明していることへの謝意を伝えた。これに対し同相は、エアアジア機墜落での日本の迅速な支援に謝意を示すとともに、邦人拘束について「きわめて遺憾」と述べた。
　二国間関係について同相は、「ジョコウィ大統領は戦略的パートナーとして日本との関係を重視しており、長年培われてきた両国の友好関係を一層発展させる意向」と説明し、政権交代後も日本を重視する姿勢であることを強調した。安倍首相は、「貿易・投資の拡大及び、ジョコウィ政権が掲げる海洋政策への協力を進展させたい」として、ジョコウィ大統領の訪日招待を伝えた。
　また、ゴーベル商業相は、４月下旬にインドネシアで開催が予定されている「アジア・アフリカ会議６０周年記念行事」への招待を伝えるジョコウィ大統領からの親書を安倍首相に渡した。
安倍首相は昨年１１月、北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議で初めて同大統領と会談しており、港湾整備や海上保安能力の向上など海洋分野の協力について、事務レベル協議を立ち上げることで一致している。
　会談後、ゴーベル商業相は「安倍首相は特に、『経済』と『安全保障』の面で戦略的パートナーと考えていると我々に伝えた」と記者団に話した。（斉藤麻侑子）