エアアジア機、消息絶つ 乗員乗客162人搭乗

 東ジャワ州スラバヤからシンガポールに向かっていたマレーシアの航空会社のエアアジア機(エアバスA320―200、イリヤント機長)は28日午前6時18分消息を絶った。乗客155人、乗員7人の計162人が搭乗。運輸省などの発表によると、同日夕、西カリマンタン州の南方の海域で捜索を続けているが、機体は発見されていない。乗客の中に日本人は確認されてない。

 運輸省航空総局のジョコ・ムルヤトモジョ総局長が午後5時に開いた会見によると、機体はジュアンダ国際空港を午前5時35分に出発。午前6時12分にジャカルタの管制塔に悪天候を避け高度を3万8千フィートまで上げる許可を求めた後、午前6時18分にレーダーから消えた。消息が途絶えたのは、西カリマンタン州ポンティアナック南方から、バンカブリトゥン諸島州タンジュンパンダンの間とみられる。
 運輸省は国軍、レスキュー部隊の国家救命隊(バサルナス)、国家運輸安全委員会(KNKT)と捜索チームを組織。付近の東ブリトゥン県、バンカブリトゥン諸島州とも協力。シンガポール、英国、韓国とも協力して周辺海域を捜索している。
 バサルナス・ジャカルタ特別州支部のストリスノ支部長は同日夕の会見で、陸海軍のヘリコプター、船舶による捜索は、海域が曇天にみまわれ視界が悪く、難航していると説明。「水深200メートルまで確認できるソナーで探査を進めている」と話した。
 カラ副大統領は「バサルナスと陸軍、海軍には持ちうる能力と設備を捜索に投入するよう命じた」と話した。
 捜索チームによると、乗員乗客はインドネシア国籍155人、韓国籍3人、英国籍、フランス国籍、マレーシア国籍、シンガポール国籍が各1人。乗客の家族はジュアンダ国際空港近くのホテルに集まっている。
 機体はエアバスA320で、乗客数最大180人の小型・短中距離旅客機。イリヤント機長は飛行時間2万537時間、うちエアアジアでは6053時間。ルミ・エマニュエル・プルセル副機長(仏国籍)は飛行時間2247時間。(吉田拓史)

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