中銀、7.75%に据え置き ルピア安、企業に打撃
中銀は11日、月例の役員会を開き、政策金利(中銀レート)を市場予想通り7.75%に据え置いた。先月に政策金利を0.25%緊急利上げしたが、米国の景気回復がルピア安基調を加速させ、企業に影響を与えている。中銀は利上げを示唆しており、今後の政策に注目が集まる。
地場金融アナリストは「ドルで融資を受けている企業の負担が増える」と指摘した。通信会社インドサットは銀行融資や社債の半分が米ドル建てだ。昨年1年間でルピアが22%下落したことによる損失が2兆7800億ルピアだった。アンドロメダ副社長は経済紙ビスニス・インドネシアに「当面ルピア安が続くとみている。今後、ドル建ての負債を減らす努力をする」と述べた。
国営石油ガスのプルタミナも米ドル建ての負債が大きく、ルピア安により負債が約20%増加している。
資金調達だけでなく、部品を輸入している企業にも打撃は大きい。日系製造業幹部は「どうしても現地で生産できない製品や部材がある。輸入品はドル取引が多いためルピア安基調が大きくなれば厳しい一面がでてくる」とし、現地調達率の低い企業ほど、ルピア安の影響は深刻だ。
中銀はルピア安が米国の景気回復による外的要因が大きく、アジア各国の通貨がドルに対し共通で弱くなっていると指摘した。中銀広報は今後もルピア安基調が続くとみており、「為替介入か、政策金利の引き上げをしなければいけない」と語った。(佐藤拓也)