交通違反、2週間で8万人 二輪車の道路逆走が最多 警視庁 事故101件、死傷者120人

 警視庁が先月26日から実施していた自動車や二輪車の交通違反者取り締まりキャンペーン「ゼブラ作戦」が9日で、2週間の業務日程を終了した。期間中に二輪車や自動車の運転手8万960人を取り締まり、1万4343人の運転手に警告したことを発表。取り締まりのなかで一番多かったのは二輪車による道路の逆走で、1万9964件に上った。南ジャカルタ警察は、交通事故につながる危険があるとして今後、特別チームを作り二輪車の逆走を中心に取り締まりを強化するとした。

 警視庁によると、取り締まった車両別では二輪車が一番多く5万8012台。ほかはバス1544台、ミクロレット8548台、メトロミニ1060台、タクシー3247台、貨物車両2806台など。
 取り締まり件数が多かった地域は、南ジャカルタ区と西ジャカルタ区。8日までに、南ジャカルタでは6750人、西ジャカルタでは7327人の運転手に対して道路交通法違反で違反切符を交付した。南ジャカルタでは違反者の約半数の3105人が道路の逆走で取り締まりを受けた。同期間内にジャカルタ特別州内で発生した交通事故は101件、15人が死亡し24人が重傷、81人の軽傷者も出ている。101件の交通事故には、91台の二輪車が絡んでいる。
 警視庁のリクワント広報局長は「ゼブラ作戦で運転手の交通ルールの意識向上につなげたい」と話した。また南ジャカルタ警察は、二輪車の逆走防止やヘルメット着用の監視などを目的に特別チームを編成することを発表した。
■標識無視、日常化
 南ジャカルタ・クバヨランラマのチプタットラヤ通りでは9日午後5時ごろ、国鉄クバヨランラマ駅に向かって自動車や二輪車が走る。同通りは3車線で一方通行、国鉄の線路手前で同駅から伸びるマスジット・アルフダ通りと合流する。合流地点には、駅へ向かう迂回(うかい)用の縁石とチプタットラヤ通りの逆走を防ぐため進入禁止の標識が立っているが、二輪運転手らは標識を無視して進んでいった。
 チプタットラヤ通りと接続するブングル通りで絵画店を営むナナンさん(46)は「オートバイの逆走は、珍しいことではない」と話す。ナナンさんは西ジャカルタ区クドヤに自宅があり毎朝、二輪車で通勤している。自宅から渋滞が起きるポンドックインダモール前を通ると1時間以上かかるため、普段はチプタットラヤ通りを逆走している。「通勤時間は30分で済むから」と理由を述べた。
 住民のパクシルさん(48)は「毎日、逆走する二輪車を見かける。運転手は日が沈むと歩行者が見えにくくなる。速度も落とさないため、こちらが注意して歩かないと危険だ」と話した。 (山本康行、写真も)

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