工業電力料金も変動制 12分類で補助対象外 経済指標に合わせ算定 インフレ為替原油価格 来月から
エネルギー鉱物資源省は5日、じゃかるた新聞に対し、電気料金の全17分類中、12分類においては電力補助金の対象外とし料金を変動制とすることを明らかにした。先月発令された、変動制を導入する顧客層拡大を定めた大臣令(2014年第31号)に基づいた措置で、15年1月から工業向け大口顧客も追加する。毎月経済指標を計算し電力料金を変動させる。
同省新再生可能エネルギー・省エネ総局によると、燃料向け補助金削減と同じ政策で、電気料金は補助金対象外の燃料「プルタマックス」と同じく、経済状況と連動する仕組みになる。
大臣令によると、電力料金を決定する経済指標は(1)中央統計局(BPS)が発表するインフレ率(2)中銀が発表する対ドルでのルピアレート(3)インドネシア原油価格(ICP)。これら指標に基づき料金を算定し、毎月1日午前0時に改定する。
17分類中でこれまで変動制だったのは敷設容量の多い高級住宅や、商業施設など4分類。変動制ではなかった工業向けは敷設容量200キロボルトアンペア(kVA)以上=I3=と3万kVA以上=I4=の大口顧客が新たに追加される。これまでこの2分類は2カ月ごとの値上げと改訂料金が定められていた。
他に追加されたのは家庭向け1300〜5500VA、政府小施設向け200kVA以上、道路照明向け、特別サービスの8分類で計12分類が変動制になる。国営電力PLNによると12分類の顧客で売電量全体の3分の2を占める。
電力消費の少ない家庭や商業施設、200kVA未満の工業向けはこれまで通り固定料金制を維持する。
変動制にしたのは燃料の調達価格に影響する為替や原油価格の上下を柔軟に料金に反映する狙い。電力消費の大きい製造業などにとってはルピア安や原油高の際、急激に電力料金が高騰するリスクが高まることになる。
PLNの担当者は地元紙に対し、ICPの下落基調が来年も続くと見込まれているため、変動制の12分類の電力料金は現在より下がるとの見通しを示した。(堀之内健史)