路面電車、来年着工へ 半世紀ぶり復活目指す 東ジャワ州スラバヤ市

 東ジャワ州スラバヤ市は市内の渋滞解消に向け、国家開発計画省(バペナス)や国鉄(KAI)と連携し、路面電車とモノレールの整備計画を進めている。インドネシア第2の都市の交通機関整備に国家予算が配分されることが決まり、路面電車は2015年着工、17年の運行開始を目指す。実現すれば約50年ぶりの復活となる。                                                                                 
 リスマ市長はこのほど15年初めに路面電車建設工事の着工、17年の開通を目指すことでイグナシウス・ジョナン運輸相と合意した。計画では市内を東西に横断するモノレールの建設と、タンジュンペラック港付近からウォノクロモまで南北に縦断する路面電車の整備を目指す。実現可能性調査は世銀の支援を得て実施した。
 計画は15〜19年の国家中期開発計画(RPJMN)に優先計画として盛り込まれ、路面電車には来年の国家予算から2千億ルピアを確保。見込まれる燃料補助金削減分から11兆ルピアをスラバヤの交通機関整備に回すことが決まり、事業が本格化する見通しになった。
 バペナス関係者は地元メディアに対し「(RPJMNに盛り込んだことで)中央政府の姿勢を示した。(開発が遅れている)ジャカルタの二の舞いになってはいけない」と話す。具体的な建設計画策定や土地収用、車両の確保・運用を市と、運輸省、国鉄が分担する。リスマ市長は中央政府が事業費25〜50%を負担し、運営面でも補助金を確保できれば、運賃は3千ルピア程度まで抑えられるとしている。

▽線路を再利用
 スラバヤ市内の路面電車は1970年に運行を停止。現在、全長17キロの線路の大部分はアスファルトなどで埋められている。10月に地中レーダー(GPR)を利用して113地点を調査したところ、線路の9割以上を再利用できることが明らかになった。バペナスは、旧路線の活用は技術的に難しくないとしている。
 一方、新たな用地も必要で、土地収用が課題になる。路面電車の線路を敷設する場合、単線でも幅10メートルを確保する必要があるという。複線化する場合は用地も2倍になり、停留所を設置する必要もある。
 主要道路の中央分離帯を取り除いて線路を敷設することもできるが、この場合、道路の大部分を路面電車の用地が占めることになる。市や国鉄は線路を単線にとどめることで土地収用や道路の拡幅を最小限にとどめる方向で検討している。
(田村隼哉)

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